画像は広島ドラゴンフライズとマツダの共同会見のあと、「HIGH-FIVE」の前で記念撮影した時のワンシーン、メディアも多数集まった
広島ドラゴンフライズが、2026年にスタートする新バスケリーグ「Bリーグプレミア」参入に向けて、10月5日のB1開幕前に好スタートを切った。
9月18日にホームアリーナの広島サンプラザホール(広島市西区)であった開幕前のプレシーズンマッチ最終戦、千葉ジェッツ戦にクラブ史上最多の4,851人を集めたのである。公式戦にカウントされない数字ではあるが、空席が目立つ本拠地初戦と熱気渦巻く中のでスタートではまったく意味合いが違う。
試合の方は主力欠場もあり64-83で敗れたため、開幕前マッチの通算成績は2敗1分けと不完全燃焼に終わったが、チーム力というものは選手個々の努力や競技力向上など自分たちの意思でコントロールできる。
もちろん強ければブースターは盛り上がるが、強いからいつも満員…とは限らない。そう、集客はコントロールできるような代物ではない。
1980年代のカープは黄金期を迎えていたが、旧広島市民球場での集客力は年間100万人に届かない時もあった。昨季のマツダスタジアムでの集客数はおよそ197万人で1990年と比べても倍増となっている。
ひろスポ!では念仏のように何度も唱えているが、新リーグを構成するクラブに求められるのはチーム力を大前提として、以下の条件をまず満たすこと。できなければ、他クラブに新リーグ枠を奪われるだけ、だ。
Bリーグプレミア参入条件
・基準を満たしたアリーナの確保
・観客動員4000人以上(1試合平均)
・売上高12億円以上
広島ドラゴンフライズの昨季の1試合平均入場者数は「必死に努力して3,335人」(浦 伸嘉社長)。
では、なぜ今回は本拠地でクラブ史上最高を記録することがきたのか?
クラブ関係者に確認したところ、通常の営業活動はあっても特別な動員をかけたことはない、という。前日17日には県北、三次市の電光石火みよしパークでプレシーズンマッチ、島根スサノオマジック戦が行われたが満員にはならなかった。
クラブ担当は「相手が千葉ジェッツさんだったこと、ワールドカップ人気の影響はあると思いますが、それ以外にと言われても思い当たりません」という見解だ。
実際に広島サンプラザホールに足を運んだファンひとりひとりに聞いて回る訳にもいかないから、この場で「これだ!」と示すことはできない。
だが、すでにひろスポ!でも紹介した通り、広島ドラゴンフライズは9月8日、マツダミュージアム(安芸郡府中町新地)でマツダ株式会社との「ダイヤモンドパートナー契約締結」共同会見を開いている。
その場で、マツダ側から広島ドラゴンフライズに対して、協賛金やアリーナ応援、さらには新アリーナ構想への物心両面での支援の意思を確認することができた。
以下、当日の会見の内容と、ひろスポ!が独自にインタビューしたマツダ株式会社 吉原誠専務執行役員のやりとりを掲載する。
共同会見から
浦 伸嘉社長あいさる
本日はマツダ様と広島ドラゴンフライズがダイヤモンドパートナー契約(※1)を結ばさせていただきまして、大変嬉しく思っていますし、個人的には感無量と申しますか非常に嬉しく感じております。
みなさまもご存じの通り、マツダ様は広島で操業され広島県を代表する自動車メーカーでもありますし、広島のみならず全国のみなさまに、走る喜びを通じて社会に大変貢献されている企業です。
マツダ様とは2016年から広島ドラゴンフライズの法人会員として、2020年からはオフィシャルパートナー(※2)としてご協賛いただいておりますが、このたびダイヤモンドパートナーということで、選手のユニホームの左胸の位置にマツダ様のブランドマークを入れさせていただいております。
広島ドラゴンフライズが10シーズン目を迎える節目にあたり、それにふさわしいマツダ様に入っていただくことを本当に嬉しく思っていますし、みなさんご承知の通り、2026年から始まる新リーグへのライセンスの獲得に向けての審査の最終シーズンになっております。
いくつか項目がありますがBリーグからの全体的なメッセージで言えば、どれだけクラブが地域に根差しているか?愛されているか?応援されているか?を数値化されたものをクリアしていく形になっています。
このたび広島を代表する企業様でありますマツダ様が我々のユニホームの左胸に入っていただくことは、ライセンス獲得へ向けてもBリーグへの大きなアピールになります。
今回、本当にマツダ様の期待にもお応えできるように、昨シーズンの成績を超えるように、選手とスタッフで日本一を目指していきたいと思っています。
ワールドカップで非常にバスケットが盛り上がってきている中、10月から新シーズンが始まります。みなさんの、広島県民の方の期待に応えられるように、そして広島県民の方々を感動させていくということがクラブの使命だと思っておりますので、全力で取り組んで参ります。
吉原誠専務執行役員あいさつ
このたび、広島ドラゴンフライズさまのダイヤモンドパートナーとして協賛させていただくこととなりました。私から、その経緯と、マツダの想いをお伝えさせていただければと思います。
広島ドラゴンフライズさまのチームフィロソフィーは「GRIT for the moment その一瞬を、その瞬間をあきらめない」です。そしてマツダの価値感の一つに「飽くなき挑戦」というものがございまして困難があっても諦めず、最後までやり遂げるという、私たちマツダ社員が伝統的に大切にしてきた価値観でございます。
バスケットボールとクルマ、アプローチは違いますけども、どちらも最後まであきらめないということ、そして応援してくれるすべての人に喜んでいただくこと、これは共通で不変の志であると思っています。
マツダは2016年から法人会員として、2020年からはオフィシャルパートナーとして、広島ドラゴンフライズさまに協賛させていただいております。その間、2017年に発表した、チームのプロモーションカーである「HIGH-FIVE」(※3)のデザインをマツダで担当させていただきました。とても良いお付き合いをさせていただいていると思っています。
広島ドラゴンフライズ様は、「地域の盛り上がり、元気の源になるべく、地域に根差していく」という方針で、いろいろな活動に取り組まれていらっしゃいます。広島を代表して戦う姿は、地域のみなさまの希望そのものじゃないかというふうに理解しています。
その姿勢に私どもマツダは大変共感いたしまして、この度、ダイヤモンドパートナーとして応援させていただきたいということで今回の協力に至ったしだいであります。
マツダは、広島で創業し、地域のみなさまに支えられてここまでやってまいりました。広島をともに盛り上げたいという強い思いでご一緒させていただきたいと思っております。
昨シーズン、広島ドラゴンフライズさまはチャンピオンシップに進出されました。みんな、わくわくしたのではないかな、と思います。惜しくも敗退となりましたが、それだけにチームや選手のみなさまが、新シーズンに向けて期する非常に大きいものがあると思っております。ぜひ、今シーズンがんばっていただいて、日本一になられることを期待しているところであります。
私どもマツダも微力ながら、チームや協賛各社、チームのファンでいらっしゃるブースターのみなさまと力を合わせて、広島がさらに盛り上がるためのお手伝いができれば大変光栄に思います。
※1、※2…広島ドラゴンフライズとのパートナー契約にはトップパートナーを最上位として、ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、オフィシャル、サポートの全6種のパートナー契約がある。クラブHPによるとダイヤモンドパートナーは1,000万円以上の協賛となっている。
※3…チームのプロモーションカーである「HIGH-FIVE」
広島ドラゴンフライズがマツダ株式会社と共同で、「広島でつながる『バスケ』と『クルマ』。マツダ×ドラゴンフライズ 世界一のラッピングカー HIGH-FIVE製作プロジェクト」を立ち上げ、誕生した。デザインはマツダのデザイン本部が担当。
ひろスポ!単独取材
-ご存じの通り、今シーズンの広島ドラゴンフライズは観客動員力が特に必要になります。マツダ城下町、ということを思えばクラブ側は応援される裾野がより広がることが期待されます。
吉原誠専務執行役員 例えば従業員はもちろん、ダイヤモンドパートナーになったことについては幅広く案内を出したり、あるいは(関連企業、団体などへの)試合の協賛や、マツダとしても従業員に応援に行ってもらうようにいろいろな試みをしていきたいと思っています。
-なかなか想像がつかないのですが、“裾野”の規模はどのくらいでしょうか?
吉原誠専務執行役員 従業員だけで2万人以上おりますので、関係会社、私共のグループ会社も含めるとかなりの数になります。
-ハード面ではクラブとしては新アリーナ建設も目指しています。これは我々取材班の“夢”でございますが、マツダ体育館もかなり老朽化しているようですし、マツダさんのお力で何とかならないものか、と…
吉原誠専務執行役員 今度、新しいスタジアムもできますよね。楽しみですね。ですから、何かご支援できるようなことがあれば、前向きには健闘したいとは考えております。マツダとしましては、みんなで広島ドラゴンフライズをどんどん盛り上げていきたいと考えております。
-最後におうかがいしたいのですが、6月に就任された毛籠(もろ)勝弘社長のご判断がないと、こんなに話は進まないと思うのですが、社長さんはどのくらいスポーツマンなんでしょうか?ネットには詳しく出ておりませんので…
好きですよ!スポーツは!!!(専門は)バスケではございませんがスポーツマンですから、得意なスポーツたくさんありますよ!
-それは、それは!ぜひ、またアリーナで取材させていただくこともありそうです。ありがとうございました。
吉原誠専務執行役員 広島全体で広島ドラゴンフライズを応援していきましょう、どんどんいい記事を書いてください。ありがとうございました。
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