コミュ力抜群の朝山正悟ヘッドコーチの下でのハードトレ…で広島ドラゴンフライズはもっと速く、強くなる…キーワードは「ディフェンスとオフェンスの連動性」

2024年07月31日: 編集部

画像は１対１でシノギを削る上澤俊喜（左）と武内理貴

広島ドラゴンフライズは７月31日の午前中、福山市内で行っていた夏合宿を打ち上げた。主会場となったエフピコアリーナふくやまで29日と30日には午前、午後の２部練習を行った。一部は公開され多くのファン、ブースターがアリーナに足を運んだ。28日には福山市内で選手トークショーやスクールコーチによるクリニックも開催された。

合宿初日の公開練習には、例年を遥かに上回るおよそ２５０名の見学者が集まった。福山での合宿はすでに知られるところとなっているが、”Bリーグ王者効果”は絶大のようだ。

ハードな練習の最中に朝山正悟ヘッドコーチは”いいプレーはしっかり応援してやってください”と直接ブースターに声をかけた。地元テレビ番組などでも人気の「朝山さん」のコミュ力は群を抜く。すぐにフロアレベルとスタンドレベルの一体感が醸成され、大きな拍手に包まれながらの公開練習となった。

当然、選手たちの動きにも激しさ、鋭さが増す。外国籍選手合流は８月中旬以降で、別メニューの寺嶋良を除くプレーヤーはわずか８人しかない。しかも１対１での超ハードメニューも組み込むのが”朝山流”。やっている方は、もうぶっ倒れそうなほどの負荷がかかっているのだろうが、鳴り響く拍手の中では妥協の余地はないし、しかも選手たちの笑顔も絶えない。

朝山正悟ヘッドコーチは、まずはこの合宿で「コミュニケーションをしっかりとって、今シーズンやることを明確に」したいと話した。ともにプレーした仲間が大半、という中でも指揮官として個々の選手とどんな関係性を築いていくか？いかにして個々の力量を引き上げるか？それがチーム力アップにつながる。王者をつぶしにかかってくる手強い相手と渡り合うために「自分たちが変えなければいけないもの、トライしていかないといけないもの、そこに今チャレンジしているところ」だという。

その「チャレンジ」を機能させるために、練習の中では朝山正悟の指示や助言が次々に各選手に投げかけられた。ディフェンス力でBリーグの頂点を極めたとはいえ、長いレギュラーシーズンではかなり苦しめられる時期もあった。現状打破には「ディフェンスとオフェンスの連動性」が欠かせないという。しかもBリーグ王者には、過去に経験したことのない過密日程も待っている。だからこそ「どんなことがあっても、何度でも立ち上がっていく、そういうチームに」育てていくことになる。

「またあの景色を見れるように…。また、天皇杯、※EASLも当然、狙っていきたいし、何よりも、昨シーズンCSを戦っていく中で、あの雰囲気、あの景色をやっぱりホームでやりたい、そのためには西地区でまずは上を取らなければいけない、（朝山ドラゴンフライズの当面の目標は）そこになってきますね」

※ESL…東アジアスーパーリーグ。広島ドラゴンフライズと琉球ゴールデンキングス（2023－24シーズンの１位と２位）がBリーグから参戦する。日本、韓国、台湾、フィリピンの各リーグの強豪8チームで争う国際大会。2022－23シーズンからスタートした。2023－24シーズンは千葉ジェッツが初優勝した。クラブへの優勝賞金は100万ドル。グループラウンドで広島はグループAに琉球はグループBに振り分けられた。

練習中に指示を出す朝山正悟ヘッドコーチ’右手前）