広島が10年ぶり東京ドーム3連勝をマーク。最低でも2勝1敗と踏んでいたカープファンは”敵地”の一角で、まさに盆と正月が一緒に来たような盛り上がりを見せた。
試合後、広島・緒方監督は「3つとも投手の力で勝てた」と振り返った。
初戦は延長12回2-0薄氷を踏む勝利でジョンソン、大瀬良、ヒースのあと中崎の危険球退場を挟み一岡で完封リレー。
前日の第2戦は前田健太が小林のソロによる1点で八回の大瀬良に繋ぎ九回は中崎。
迎えたこの日の第3戦は「ひろスポ!」が「マエケンや黒田よりもすっゴイ!」と推す福井が7回1失点で大瀬良に繋ぎ最後は中崎で締めた。
こうして見ていくと、あることに気づく。
そう大瀬良が3戦とも投げて3戦とも3人ずつで片づけ、巨人打線の反撃意欲を見事に削いでいる。
実はこの「ストッパー大地」構想もまた、「ひろスポ!」がいち早く取り上げた、「チーム巻き返しへの裏ワザ」だった。
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大瀬良は昨年の新人王の勢いを買われてローテーションの柱として期待されたが3・4月4試合で0勝3敗、防御率2・84。
5月も4試合で1勝2敗、防御率3・45で6月第1戦も負け投手になった。
そのあと中継ぎに回った大瀬良は6月5試合に投げて7失点。「配置転換反対!」の声がファンや関係者の間から上がったが7月は11試合でわずかに1失点、防御率0・64と”覚醒”への階段を上がり始めた。
球宴明け、7月21日の中日戦(マツダ)以降はきょうまで7試合連続で八回のマウンドを任され、7月30日のヤクルト戦(神宮)からきのうまでで5試合連続のホールドをマークしてすっかり「ストッパー大地」がはまり役になっていた。
きょうの大瀬良はこれまで以上にマウンドでの威圧感があり、その投球は投げるたびに東京ドーム全体がどよめくほど。福井から適時三塁打を放った立岡を149キロで空振り三振に仕留めると、代打橋本は左飛、坂本も外スラで空振り三振、とわずか3分でその役目を全うした。
折しもきょう8月9日は大瀬良の地元、長崎の70回目の原爆の日。「今、僕らがこうして野球をすることができる、その幸せを感じながらプレーしたい」と話していた通り、堂々のピッチングでペナントレース脱落の危機にあった広島に3連勝をもたらす原動力になった。