昨年1年半をかけて広島にふさわしいサッカースタジアムのありようを協議してきたサッカースタジアム検討協議会の委員のひとりである永田靖さんが1月13日、地元の広島エフエム放送に生出演して熱弁をふるった。
出演番組は、「サンフレッチェ ラジオ・サポーターズクラブ”GOA~L”」
hfm.jp/blog/goal/
永田さんは広島経済大学経済学部スポーツ経営学科教授でマネジメントの専門家。その視点から、世界の競技人口が野球より遥かに多いサッカーを貴重な資源として、旧広島市民球場跡地にサッカースタジアムを建設することがいかに広島に大きな影響をもたらすかを熱く説いた。
また2008年にサンフレッチェ広島の佐藤寿人選手から聞いた話を引用し「原爆ドームを背にサッカーをして平和をその中から訴える」ことこそ広島に必要な姿である、との見方を示し、現在のサンフレッチェ広島が「陸上競技場」をホームとしている現状も嘆いてみせた。
さらに自身がサッカースタジアム建設に向けた協議会に身を置いた経験も踏まえ「東京五輪までたった5年」と遅々として進まないサッカースタジアム建設へ向けた動きに危機感を示し「東京五輪に来た海外からの来訪者の多くは広島に来る。その時、スタジアムがあるとないでは大きく違う」と訴えた。
この日、広島市役所ではサッカースタジアム建設協議会の「提言書」を受けての松井市長、湯崎知事、広島商工会議所・深山会頭、県サッカー協会・小城会長によるトップ会談が行われたが、この場では一度も「東京五輪」の話は出ずじまい。それどころか、再びさらに1年をかけ「事務レベルの作業部会」を設置することが決まり、このままいけば今後またまるまる1年は「着工」へのメドもたたないことがほぼ確実になった。
なお広島のサッカースタジアム建設構想は今をさかのぼること20年以上も前、サンフレッチェ広島のJリーグ参戦が決まった当時から広島市に持ち上がった話であり、市民はもう20年以上、待たされている。
新サッカースタジアム取材班