およそ2カ月ぶりに再開されたJリーグで、3連覇の偉業に挑むサンフレッチェ広島がいきなり試練の時を迎えた。
ホームのエディオンスタジアム広島に横浜Fマリノスを迎えてのJ1第12 節。春先からのACLに参戦した関係で12節未消化のサンフレッチェ広島は暫定6位につけており、勝てば単独3位に浮上する計算だったが、そんな夢も試合終了間際の連続失点で霧散した。
試合は前半0-0で折り返した。手探り状態ということもあり、サンフレッチェ広島の放ったシュートは3本止まり。横浜Fマリノスに至っては1本だけと低調なままハーフタイムを迎えた。
試合が動いたのは後半11分。右サイドからの柏のクロスを相手DFにクリアされ、こぼれてきたところを石原がボレーで決めて先制した。 そこから残り15分少々となるまではサンフレッチェ広島のディフェンスが機能して一時はそのまま逃げ切るかに思われた。
だが残り20分を切ったあたりから相手に攻め込まれる場面が増え、後半45分、齋藤学に同点ゴールを蹴りこまれた。クリアボールを狙われた振り向き様の一撃だった。
北海道室蘭キャンプで調整を重ね、W杯帰りの青山以外はベストメンバーで臨んだ一戦はこの失点によって大きくプランが狂い始めた。残された時間は、直後に示されたアディショナルタイムの4分だけ…。
しかしショックの色が隠せないサンフレイレブンは気持ちを切り替えることができないまま試合終了直前に、伊藤翔に2点目のゴールを許して万事休した。GK林のクリアからのこぼれ球にここでも素早く反応された。
第11節以降、これで4試合勝利から見放され、その間わずか2得点。インターバルを挟みその前後で苦戦するJ1王者に今、何が起きているのか?
チームカラーの紫が赤信号へと傾きかける中、「夏場に勝負をかける」というサンフレッチェ広島の巻き返しが注目されている。