高校野球の秋季中国大会5日は11月2日、鳥取県米子市のどらドラパーク米子市民球場で来春のセンバツ出場への重要な参考となる準決勝2試合があった。
第1試合はともに2018年夏以来の甲子園を目指す鳥取城北(鳥取1位)と創志学園(岡山1位)が対戦。戦前は創志学園優位と言われていたが、15安打の猛攻を見せた鳥取城北が13-6で創志学園に七回コールド勝ちした。
第2試合の広島新庄(広島1位)と倉敷商(岡山2位)は大接戦になった。が、結果的には右腕の福家悠太(2年)と左腕の永野司(1年)の二枚看板を擁する倉敷商に軍配が上がった。
一方、広島新庄の1年生左腕、秋山恭平(1年)は初戦の八頭(鳥取3位)戦で9回130球12奪三振、1失点完投。準々決勝の高川学園(山口2位)戦も136球4失点で完投。そしてこの日は延長11回、168球を投げ切った。
初回、バックのミスでいきなり無死二塁のピンチとなった秋山は二番で主将の原田将多(2年)に中前打されて先制された。
広島新庄は二回、六番の杉井秀斗(2年)がボールカウント1-1から左越えに同点ソロ。しかし三回の秋山はボールが先行。シングルヒット3本と1四球で2点を奪われ1-3。
四回、広島新庄は連打で無死一、三塁として併殺打の間に1点を返すが、五回、また秋山がつかまって失点。2-4で再び2点のビハインド。
しかし六回から秋山はストライク先行の投球に切り替えリズムも良くなる。
が、倉敷商も5回60球2失点の福家から永野にスイッチ。永野のスライダーの前に六回の広島新庄は、三番の下 心音主将(2年)が空振り三振。四番の野崎愛斗(2年)は初球を打ってニゴロ。五番の花田侑樹(1年)もボールになるスライダーを空振り三振…
戦前、「2、3点勝負」と話していた広島新庄の迫田守昭監督にとってはやや誤算…となった序盤の展開から一転。七回、八回の秋山は8球ずつで3者凡退に打ち取り、俄然リズムも良くなった。
すると八回、一死から二番の瀬尾秀太(1年)が左前打。打席にはその前の対戦で空振り三振の下。初球ボール、2球目スライダーストライクのあとの3球目もスライダー。これを見事仕留めて右越えに2ランを運び4-4と試合を振り出しに戻した。
八回までに104球を投げていた秋山は九回のマウンドへ。ここで先頭に四球を与え、二死二塁となって打席に九番の山本完次(2年)を迎える。三、五回にヒットを許している相手。タイミングが合っている。ボールカウント2-2からの6球目、打球は秋山の右足に当たってショート前へ。一塁送球、しかし捕球できずにセーフ。二死一、三塁となって一番・石川陸(2年)を投ゴロに抑える。これで125球。
その裏、広島新庄は一死一塁を生かせず試合は延長へ。
延長十回の秋山は一死一、三塁の大ピンチを迎えたが五番・田村幸哉(2年)のスクイズが投飛になって幸運なゲッツーに救われた。
迎えた延長十一回、秋山は2四球と単打で一死満塁とされた。一番・石川はニゴロで本塁封殺に成功。しかし続く原田にはレフトの頭上、フェンス直撃の三塁打を打たれ4-7にされた。
打たれたのはこの日、161球目の真っ直ぐ。倉敷商打線は最初から最後まで真っ直ぐ狙いで振ってきた。
その裏、広島新庄は二死満塁まで永野を攻めたがあと1本が出ず決勝進出はならなかった。
倉敷商と鳥取城北の決勝は3日午前10時から同球場で行われる。