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2014年05月01日
編集部

大瀬良、プロ初完投勝利、強さと優しさ兼ね備えカープ女子人気さらに上昇

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クライマックスシリーズ赤い甲子園
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昨年のクライマックスシリーズで甲子園を埋めたカープファン

広島の黄金ルーキー、大瀬良大地が強打の阪神打線を相手にプロ初完投勝利をマークした。八回までは5安打完封ペース。九回、先頭のゴメスにソロホームランを許すとそのあと阪神打線の執拗な粘りに苦しんだが、最後は野村監督の「切り替えていけ」の声にうなずいて148球を投げ切った。

「とにかく気持ちだけは切らないように1球、1球魂を込めて全力でいこうとそれだけでした」

八回までは1イニング平均でおよそ15球と快調に飛ばしながら九回は29球も投じる“難産”になった。しかしいくらファウルで粘られても大瀬良はひるむことなく向かって行った。1週間前のヤクルト戦(神宮)では8回117球を投げたところで交代を告げられた。続投を直訴したが認めてもらえなかった。

プロ初勝利を手にした2週間前のマツダスタジアム。7回自責0(失点1)に抑え相手が簡単に引き下がらないことは分かっていた。しかも前回は阪神の連勝を6で止め、今回は首位の座をかけた大一番だった。

だが、相手が手ごわければ手ごわいほど「全力で」、「魂を込めて」腕を振り抜く。それが大瀬良の大瀬良たるゆえんでもあった。

昨年12月、母校の長崎日大高校で教育教実習を行った大瀬良は最終日に全校生徒の前でこう言った。

「何事にもチャレンジする気持ちを大切にしてください」

その話ぶりは聞く者すべての心によく響いた。

プロ初勝利のあとのお立ち台ではスタンドに向け「ブチ(すごくの意の広島弁)最高です!」とやって熱いカープファンの支持をさらに強固なものにした。

キャンプ当初から笑顔を絶やさず、「カープ女子」の多くを虜(とりこ)にしたその明るいキャラクター。同時に新入団会見の場にハンディキャップのある2つ年下の弟さんを招くなど家族思いの優しいキャラの持ち主でもある。

4人兄弟の一番上だから、常に自分がお手本になれるように…。そして両親への感謝を忘れない。

母の日には少し早かったが、その右腕でまたひとつプロの壁をひとつ打ち崩した。5月の第2日曜日までにはもう一度”チャンス“がある。

開幕から5試合を投げて3勝1敗、6回3失点以内のクオリティースタート成功率は100パーセント。その力強い投球内容とトレードマークの笑顔と優しさが“同居”する背番号14は、、マウンドに上がるたびに新たなドラマを生み出す力を秘めている。

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