貯金12のセ・リーグ首位で交流戦に突入した広島が交流戦最下位に沈んだまま地元でのラスト4試合を迎えようとしている。
ワールドカップブラジル大会で予選ラウンド初戦を落とした日本の、決勝トーナメント進出の可能性はわずかに8・7パーセント。だが、過去9年の交流戦の歴史の中で最下位になったチームのリーグ優勝はゼロ。1991年以来23年ぶりの頂点を目指す広島の戦いに赤信号が灯っている。
広島の交流戦残り試合が8試合となったところで前回、「交流戦での”J2降格争い”から広島、脱出できるか?」のタイトルでコラムをアップした。この時点で広島は「全勝しても12勝12敗」という状況だったが、結果的には1勝3敗に終わった。
さらにこの時、試合数は異なるものの交流戦4勝は広島だけ。ヤクルト、楽天、阪神が6勝、西武が7勝をあげていた。
Jリーグ風に見立てると広島を含むこの5チームが「J2降格争い」で残り7チームが中位以上、そして上位3チームに名を連ねる巨人、オリックス、中日の優勝争い、といった様相を呈していた。
このあとの各チームの星取りを見ていくと、前回、得失点差のバランスの良さを指摘した西武が3勝1敗と確実に“指揮官交代”の成果を見せ始めている。
トップ3の中では巨人が連勝を7まで伸ばして交流戦Vに王手。中日が1勝2敗でやや勢いが衰えてきた。
「J2降格争い」を演じていた5チームの中から西武が抜け出して、残るはヤクルト、楽天、阪神、そして広島の4チーム。
ヤクルトは2試合消化ゲームが少ないが勝ち数だけを見ると9位ヤクルト7勝、10位阪神8勝、11位楽天7勝で広島はそこからも離されて5勝で足踏みとなっている。
きょうから地元、マツダスタジアムで予定される(午前8時現在、広島市内は雨)楽天との2連戦は「優勝確率0パーセントからの脱出」を図るための大事な2日間になる。もちろん「連勝」がノルマである。
なお、前日のナイトゲームでオリックスに快勝した巨人の貯金は今季最多の12。この数字はこのコラムの冒頭で記したように、交流戦直前の東京ドームで巨人に2勝1敗と勝ち越した広島の貯金の数とまったく同じ…。
ちょうど1カ月で広島は文字通り“天と地”がひっくり返った?ことになる!