田中聡(たなか・さとし)専門学校・美術予備校で講師をするかたわら、広島を中心にイラストレーターとしても活動中。カープやサンフレッチェのイラストを中心に、日々のあれこれをブログに掲載しています。tnksts.jugem.jp
プロ3年目の戸田投手。初めてのマツダスタジアムでのお立ち台でプロ初勝利の喜びをかみしめていました。
1年目に1度、2年目の昨年に2度、そして今季はこれが2度目の先発マウンドでした。
四回までDeNA打線に1点も与えず、4点リードで迎えた五回。この回を抑えれば勝ち投手の権利を手にすることができる、という場面を迎えてそれまでとは急に球筋が変わってしまいました。
それまでは會澤捕手のミットめがけて、指を離れる瞬間から「線」の軌道で決まっていたストレートや変化球が、とつぜん「点線」軌道のようになり、ボール球が増えて、逆にストライクを取りにいったところを相手に狙われました。
ツーアウトランナー一、二塁から筒香選手に同点ツーランを浴び、両ひざに手を置いてガックリ肩を落とす戸田投手。
でもその裏、會澤選手のタイムリーで戸田投手に勝利投手の権利が復活して、試合はけっきょく11対7の圧勝となりました。
「これからまたスタートなんですけど、どんどん、どんどん結果を出してがんばっていきたいです」
この日が小さな、そして確かな一歩であることを、戸田投手はヒーローインタビューの最後の言葉に込めつつ、応援してくれたスタンドに向け、最高の笑顔を輝かせていました。