2019年シーズン対外試合、初の三番で快打を放った坂倉将吾(トップ画像)
沖縄でキャンプ中の広島は2月23日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで日本ハムとの練習試合を行った。
注目されたのはそのスタメン。この日が対外試合3試合目の広島は巨人にFA移籍した丸の抜けた三番に、対外試合初戦ではDH長野、第2戦ではDHバティスタを試してきたが、この日は「レフト坂倉」をクリーンアップの一角に組み込んだ。さらに2試合とも松山が先発した五番にも西川を起用した。
一番・田中
二番・菊池涼
三番・坂倉
四番・鈴木
五番・西川
六番・メヒア
…左右左右左右となり、西川のところには松山が控える。メヒアがサードのポジション争いで勝ち残るようだと、これで2019年型広島打線の骨格ができる。
広島首脳陣は「三番野間」より「三番坂倉」を優先した。野間は「ポスト丸」の一番手と早くから言われてきた。この日も含めて3試合連続でスタメン、センターに入った。だが打順は七番。まだ上位では試されていない。
これを意外に思うファン、関係者もいるだろうが、緒方監督の考えはどうだったのか?
もちろんその胸の内は誰にも分からないが、指揮官が早くから坂倉の打力を高く評価してきたことは明らかだ。
広島は沖縄に来る前に宮崎・日南でキャンプを張るが、そこでは休日前に恒例のロングティ200スイングという”儀式”が行われる。
そこで緒方監督自らがトスを上げるという”緒方スペシャル”に指名される選手にはいっそうハードな200スイングが待ち受ける。
実はその名誉ある指名を受けたのが、昨年も今年も、鈴木誠也、そして坂倉だった。
さて、この日の日本ハムとの試合。両軍無得点の四回、ヒットの菊池涼を一塁に置いて、坂倉は強く引っ張って一、二塁間突破の右前打。無死一、三塁の形で鈴木に繋ぎ先制適時打、とまさに理想的な形になった。
捕手登録の坂倉が2月1日からずっと外野手との二刀流を続けている。守備のマイナス面よりストロングポイント優先、の判断が首脳陣に働けば「三番坂倉」が、丸の抜けた広島の新たな目玉になる可能性が高い。
その丸の一軍デビューはプロ3年目の2010年で14試合19打数3安打だった。
坂倉はルーキーイヤーの2017年に3試合で4打数1安打。期待された昨季は一軍9試合で8打数1安打と完全に足踏み。だが3年目の今季は丸を大きく上回る数字も期待できる。
ただし丸は2011年からは球界を代表するバットマンへも道を着々と極めて行った。
丸と同じ千葉県出身の坂倉は、丸とほぼ同サイズ、身長176センチ、体重84キロ(丸は途中で急激にボディが重量級に替わり、巨人公式サイトでは90キロだがもっとありそう)。
丸が歩んだ広島での11年間に坂倉の未来も重なり始めている。