貯金3で地元マツダスタジアムでの6連戦初戦に臨んだ広島が借金15で対戦成績もここまで9勝4敗だったヤクルトに5対6、1点差で競り負けた。
広島はこれで10試合続けて3連戦の初戦を勝ち切れず、先発した野村祐輔は球宴明けから4試合連続で3連戦の頭を任されてはチームに黒星がつく事態となった。
ただし過去の3戦ではいずれもクオリティースタート(6回以上投げて自責点3以下)に成功しており、今夜もまた二回の4失点はファースト・キラの連続エラーによるものでヤクルト打線を相手に六回までよくもちこたえた。
ヒットの数はヤクルトの15本に対して広島も菊池のソロ2発を含む14安打。それでも1点及ばなったのは“エルドレッド問題”が大きな影を落としているからだ。
前日、野村監督と長時間の話し合いを持ち、練習休みにもかかわらず監督指導の下で打撃練習。きょう試合前にも二人で「タイミングの取り方」などアレコレとチェックしたがフタを開けてみれば初回の無死二塁で左飛、二回の二死一、三塁で浅い中飛、三回の先頭打者では空振り三振、六回の一死満塁ではキャッチャーゴロ(捕手中村の判断が悪く併殺にはならず三塁走者生還)、八回の無死二塁は空振り三振…だった。
さらにここに来てもうひとつ広島打線の課題が浮き彫りになってきた。
一番・堂林…。
この起用法については様々な声が上っているが、最大のポイントは一番であっても得点圏に走者がいる場面で打てるかどうか?
ところがチャンスになるほどに堂林の打球は上がらない傾向にある。二回の無死一塁では三ゴロ、六回の無死二塁では遊ゴロで二塁走者三塁タッチアウト、七回の一死満塁では打球が逆に地面に向かって落ちてくるようなセカンドライナーでゲッツーを取られた。
一番・堂林では細かい作戦は取りづらいため、どうしも打って出ることになり、それが裏目に出るケースが目立つ。何より8月、驚異的なペースで打ちまくっている二番・菊池との繋がりがない。三番・丸は菊池に続くが、今度はエルドレッドのところでプッツリと切れる。
しかし連戦の最中とあって大きな打順変更は取りにくい状況にある。一方、2試合二けた安打が途切れていたヤクルト打線だが、今夜はほれぼれするようなバッティングが頻繁に見られた。
このままでは最下位チーム相手に致命的なキズを負う恐れがある。代打に起用された天谷が会心の二塁打を放ったように広島にはヤクルトに負けないだけの持ち駒は揃っている。あとは野村監督が動くのか、動かないならどんな策を講じるのか?
ジャスト100試合を消化してほぼ不動のオーダーに行きついたヤクルト打線は広島にとってはある意味、お手本といえる存在に映るのだが…。