かつての広島の四番、新井貴は果たして…
来季の広島のサードは誰か?近々、阪神からFM移籍(振り出しに戻る移籍!?)の新井貴も参戦して、その実情は混とんとしてきた。
広島のサードは1999年までは江藤、そのあと新井貴、そのあとは…、「新井の抜けた穴は大きい」という状況が、実に今シーズンまで続くことになった。
逆に言えば「新井は出してはいけなかった」ということになる。
新井貴のあとサードを引き継いだシーボルは2008年シーズン限りで契約を切られた。
翌2009年はマクレーンで、また1年限りでここまではブラウン監督が”担当”した。
野村監督の時代になるとサード問題は混迷を深めていった。
2010年は小窪、栗原、さらには石井琢朗らを併用。2011年はトレーシー、バーデン、小窪と、もう”誰でもOK”の様相を呈してきた。
2012年には堂林がひとりで133試合サードを守ったが、2013年は8月20日の死球骨折(中日戦、岐阜)を境に以後、木村がサードを”死守”した。
それでは今シーズンはどうだったか?
まず新井貴だが94試合で打率・244、43安打、3本塁打、31打点、スタメンサードは25試合。
対する広島勢ではこれまで見てきたように一番経験のある小窪。今季は打率・317と打ちまくりながらもなぜか途中出場も多く、78試合で51安打、3本塁打、30打点、スタメンサードは28試合。
この28試合の内訳も3・4月4、5月7、6月7、7月5、8月2、9月3試合と見事にバラバラ。そして、数字的には新井貴を上回っている。
先ごろFA宣言回避を決め広島残留が決まった梵は114試合、95安打、8本塁打、41打点でスタメンサードは43試合。ただし8月以降に集中しており、前半はショートを守っていた。
開幕スタメンサードだった堂林は5月9日に指の骨折で抹消されたこともあり93試合で打率・246、70安打、8本塁打、28打点。4月は14試合、5月は7試合ほどスタメンサードを任されたが、7月にはライトと併用になり、8・9月のスタメンはすべてライトだった。スタメンサードはけっきょく27試合に止まった。
ルーキーの田中は110試合で打率・292、86安打、9本塁打、34打点。スタメンサードは26試合で8月1日の巨人戦(東京ドーム)を最後にその後はスタメンショートに定着した。
セカンドの菊地とは同世代。普通に考えれば来季は菊池と田中、涼介&広輔の二遊間になる。
梵と同じくFA権を行使せず残留した木村は101試合で打率・261、62安打、1本塁打、13打点。9月の勝負どころでスタメンサードが8試合もある。シーズン合計では13試合にスタメンサードで出場した。
最後に第1回IBAF21Uベースボールワールドカップ、21Uの日本代表メンバーとして1次ラウンド4試合で打率6割以上と打ちまくっている鈴木誠也。36試合で打率・344、22安打、1本塁打、7打点でスタメンサードは1試合のみだが、緒方監督注目の若武者は伸びシロが大いに期待できる。
こうして見ていくと、田中を除いた6選手のサード争いはいずれも決め手を欠いている、ようにも見える。もちろんトータルの実績でいけば新井貴の右に出るものはいない。なお、広島時代の新井貴がラストシーズンに残した数字は…
144試合、556打数161安打、28本塁、102打点、打率・290、である。