5月、大型連休中のチーム浮沈のカギを握る野村祐輔
「優勝候補」と目され、選手も首脳陣も「優勝しかない!」と気合い十分で開幕を迎えた広島が20試合を終えて借金6の最下位にあえいでいる。
ここ5試合は2勝3敗。勝ち投手は福井優也とジョンソン、勝ちがつかなかった先発投手は黒田、大瀬良、前田健太の3人。福井は次回登板まで間隔が空くため出場登録を抹消されており、「表ローテ」の3人で勝ち切れない状況が続いている。
そんな中、先発5番手の野村祐輔の雲行きも怪しくなってきた。
野村は開幕第5戦の4月1日のDeNA戦(横浜)で5回を投げて5失点負け投手。8日の巨人戦(マツダ)では6回2失点で勝ち投手となり、しかもこの時、チームの連敗を7で止める大仕事をやってのけた。
ただ、内容的には7安打5四球と満足いくものではなかったため、ローテーションに余裕があるうちに…、と二軍で調整登板することになったのだが…。
4月18日のウエスタン・リーグ阪神戦(兵庫・鳴尾浜)では三回、一死からの死球をきっかけに2失点、四回にも四球から下打線に追加点を許し4回3失点で降板した。
そして中4日での「修正」をが試された22日のソフトバンク戦(山口・由宇)では三回までは2安打ピッチングながら四回、五番の猪本に適時打され1点を先制された。
その裏、同点に追いついてもらったが六回、キューバ出身の右の強打者、四番・カニザレスに磨いてきたはずのシュートを左翼越えにもっていかれた。
七回にも長短3安打を打たれて2点を失った野村は7回5失点(自責3)で降板。相手打線の2巡目でつかまる失点パターンを繰り返している。
こうなってくると、4月最終週から5月の連休へと続いていく9連戦のやりくりが心配になってくる。
黒田、前田、大瀬良で勝ちがなかなか拾えず、さらには6枚必要な先発の頭数もおぼつかない、となれば大型連休、大型連敗でコイの季節どころではない、ともなりかねない。
ここまで先発陣は17試合までにクオリティスタートに成功しているにもかかわらず、1点差負けがすでに9回。
開幕からさっぱりの打線はテコ入れのため急きょ、補強した新外国人のシアーホルツも大型扇風機と化しており、低調モードの打線と、人材はそろっているように見えて不安要素が頭をもたげつつある先発陣…。
さらには熱い語り口調だった緒方監督の口数もめっきり減り始めており、9連戦の前哨戦となる25日からの阪神2連戦(マツダ)が注目される。