連日「大入り」のマツダスタジアム、しかし広島の行く手にはこの日の空と同様、暗雲が…
勝てばヤクルトを追い抜いて5位に”浮上”する最下位の広島だったが、3万人を超えるスタンドの歓声空しく8対12でヤクルトに打ち負けた。両者の差は再び1・5。広島はセ・リーグ序盤戦を最下位で終えることになった。
すでに今季、優勝確率が限りなくゼロに近づく「借金8」の危険水域を2度も経験している広島は、これで借金「6」。あすのヤクルト第3戦を落とすようだと”リーチ”がかかる苦しい状況で交流戦に突入する。
当然ながらセ・リーグ最下位チームを相手にするパ・リーグ勢は「絶対に落とせない」という意気込みで広島戦に臨んでくる。
昨夜、黒田の粘投、新井貴浩のマツダスタジアム初アーチ、菊地のサヨナラホームランで連敗を2で止め、それでももうひとつのっていけない、それが今の広島の現状…ということか?
防御率セ・リーグトップのジョンソンが六回途中までに13安打を浴びて8失点KO降板。二番手の今村も痛打され、フライ落球の梵のミスも絡んで六回、一気に8点を失った。
この試合広島は、3月中旬に右膝内側半月板除去手術を受けたエルドレッドをスタメン五番に据え、四番の新井貴浩、六番のシアーホルツとの3人で”重量級”の攻撃態勢を整えた。
サヨナラ勝ちした昨夜も含めて広島の最近9試合は8試合までが1点差ゲームでその内訳は3勝5敗。昨季の本塁打王を”補強”して接戦に強い形を目指したはずが、大味な点の取り合いになる一方で、逆にエルドレッドのレフトの守備がジョンソンの足を引っ張る場面もあった。
そんなこんなで前田健太、黒田博樹に続いてこれでジョンソンも2試合連続で勝利投手になれず。
開幕第2戦でジョンソンに準パーフェクトを許し、5月2日の神宮でも左腕から8回で1点しか奪えなかったヤクルト打線もさすがに3度目は黙っていなかった。