チケット完売のマツダスタジアムは最後まで声援を送り続けたが…
やはりヤクルト打線は甘くなかった。試合開始前にひろスポ!が「警戒」したとおり、広島の連勝を5でヤクルトに止められた。これで広島の3年連続のクライマックスシリーズ出場への道は、「残り2戦全勝」しかなくなった。
ヤクルトのスタメンが発表された時点で怪しげな空気がすでに漂っていた。延長11回を戦いビールかけ、さらにはマスコミ対応、寝たかどうかも怪しい中、今朝広島に移動して試合…という流れの中でも昨夜と同じオーダーで試合に臨んだヤクルトベンチ、そして真中監督。
迎え撃つ広島もジョンソンを先発に立てて万全を期していたが、結果的には延長11回、6-2でヤクルト勝利となった。
初回、いきなりジョンソンがバレンティンに適時打され1点を先制されたがその裏、エルドレッドの19号2ランで逆転。六、七回に加点して4対1。あとは必勝リレーで逃げ切るだけだった。
しかし八回に落とし穴が待っていた。
二番手の大瀬良が先頭の山田に四球を与え、二死まで漕ぎつけながら雄平の投ゴロを焦ってお手玉、続く今浪の右前打で1点差に詰め寄られなお二死一、二塁…。
中村にも右前打されて同点にされたばかりか、ライトからのバックホームが捕手石原の遥か上を通過、さらにバックアップに入っていた大瀬良がジャンプして頭上高く伸ばしたグラブまで弾いてスタンドに入り「テークワンベース」で4対4同点に追いつかれた。
ライトは守備固めで途中出場の野間。緒方監督の若いころの背番号37を背負う期待のルーキーは強肩も武器ではあるが無理にホームに無理して返す必要のない場面で痛恨のミス…。
そして迎えた延長十一回の失点もやはり”ミス”続出。4人目のヒースは先頭の森岡に四球。二死二塁となって広島ベンチは山田を歩かせ畠山との勝負を指示したが、制球の定まらないヒースにこの作戦はハナから無理でまた四球。
すると広島ベンチはヒースを諦め一岡を投入したが三輪に勝ち越し適時打、さらにそのまま打席に立った徳山には押し出し四球とベンチワークがことごとく裏目に出た。
広島は今季、開幕当初から得失点差プラスながらずっと勝率5割にさえ達しない戦いを強いられた。その要因をベンチワークの拙さに求める関係者は多いが大事な141試合目で図らずもそれが露呈した。
今度は広島があす移動日なしで甲子園に乗り込み3位阪神とCS切符を賭け直接対決に臨む。黒田と藤浪の投げ合いで好ゲームが予想されるが、広島は大瀬良、ヒースらをしびれる場面ではもう使いづらいだろう。ならば黒田には八回あたりを目標に投げてもらわないと苦しい。
なお、広島は8月15日以降の計38試合で3点を失って勝った試合はたったの1試合だけ(9月28日のDeNA戦8-3〇)。その間、4点失って勝った試合はゼロ。
ゆえに今夜も大瀬良がヤクルトの同点を”アシスト”した形になり4点目を失った時点ですでに広島の勝ちは消えていたことになる。
それは広島打線の繋がりが悪い、ということの裏返しでもあり、あすの阪神・藤浪の前にまた沈黙するようだと、ますます黒田にかかる重圧が増してくる。
それともマエケンを切り札としてスタンバイさせるか…。
またまたベンチワークが試されることになりそうだ。