田中聡(たなか・さとし)専門学校・美術予備校で講師をするかたわら、広島を中心にイラストレーターとしても活動中。カープやサンフレッチェのイラストを中心に、日々のあれこれをブログに掲載しています。tnksts.jugem.jp
3年ぶり完投勝利の福井投手、いい顔でした。そしてその時の気持ちがそのままマイクに向けられました。
「ボクが九回表にマウンドに行く時に福井コール…、うるっときちゃって、すごくうれしかったです。これからも一生懸命がんばるんで、応援お願いします!」
喜怒哀楽を出さない方がかっこいい。プロに入ってきた福井投手にはそんなイメージがつきまとっていましたが、お立ち台の福井投手、すごく輝いて見えました。
甲子園で活躍した済美高校時代は、時にはわがままし放題!? 早稲田大学では背番号11を背負い、そしてカープ入団1年目でローテーションに定着。
でも、2年目の2012年、そして昨年と足踏み状態が続き、やがて二軍でも簡単に打ち込まれることが珍しくなくなり、今年も開幕一軍メンバーから外れました。
いくら頑張っても結果が出なければ同じ。プロの世界ではそれが当たり前のことなのですが、野球エリートの道を歩んできた福井投手がそれに気づくにはかなりの時間が必要だったようです。
結果を欲しがり過ぎてもダメ、弱気でいけばもっとダメ。一番いいバランス感覚で投げるにはどういう気持ちの作り方がいいのか?それはまだ1試合を完投しただけではわかりません。
でも、うだるような暑さの中で九回のマウンドに上がってもなお衰えぬ球威は紛れもなく球界トップクラス。3万人を超えるスタンドに向かって感謝の言葉を述べたこの夜のことを胸に仕舞い込んで、4カ月遅れにはなりましたが福井投手の大事な4年目のシーズンが幕を開けました。