旧広島市民球場へのサッカースタジアム建設に関する完成予想図は「広島」「サッカースタジアム」「画像」で検索すれば多数、確認できる。それぞれ建設費はいくらなのか?おそらく260億円はかからないはずだが…
中国新聞2月19日付の28面に「市民球場跡地260億円」「みなと公園180億円」「整備費54億~37億円増」の見出しの記事が掲載された。双方の「概算整備費が18日分かった」としているが、似たようなことは以前から分かっており、何もわざわざ改め大げさな見出しをとって紙面を割くほどのことはないと考える。書くべきことはほかにもあるだろう。
ひろスポ!には即座に「本当にひどい記事ですね~」のメールが届いた。
いろいろ書いてあるが要は「官民の作業部会」がその数字をまとめただけのこと。では、その数字にどれだの意味がるのか、といえばあまりない、というのが実際のところだろう。
典型的な例を見てみよう。
旧広島市民球場解体の前後でも「現在地建て替えか、貨物ヤード跡地か?」の論議となり、似たような数字は山のように出てきた。
それでいったいどうなったのか?
当時の秋葉市長が「貨物ヤード跡地に球場新設なら90億円、現在地(旧広島市民球場跡地)なら150億円以上かかる」として一度、現在地建て替えで決定していたものを貨物ヤード跡地(今のマツダスタジアムのある場所)に変更したのである。
広島市HPにそのことが残されている。
www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1116823311281/index.html
ところが今なおあいまいなままだが、カープ球団が20億ともそれ以上とも言われる建設費を負担し、さらにはマツダスタジアムへの大型スロープなど高額な周辺整備費用は別会計。誰が見てもスロープは球場の一部である。市議会でも取り上げられたが当局は強引突破した。
まだある。マツダスタジアム(当時はまだこの名称はなく新球場)は設計コンペ公募の段階で「球場内に屋内練習場」があることが義務づけられ、そういう設計になっていた。いったい誰がいつそれを「なし」としたのか。おかげでカープ球団がのちに「建設費10億円」でマツダスタジアムそばに屋内練習場を新築した。
…そんなのちのちの経緯は市民に知らされることもなく、またまともに論じられることもなく「90億円でできた」ことになっている。
要するに「37億円」とか「54億円」の差はあってないようなもの。そのこともマスメディアなら読者に伝えるべきだし、それがないからひろスポ!で長々と綴ることにもなる。
そんな過去を記者が把握していないのならやむを得ない。ただ、今現在の話としてサンフレッチェ広島サイド、もしくはスタジアム問題に詳しい関係者からは「もっと安く建てる方法はいくらでもあり、建築の専門家にもそう聞いている」の声もあがっている。そうした声も今回の記事に併記しておいて損はないはずだ。
だいたいガンバ大阪の新スタジアムが140億円で建設されたことを思えばあまりにも高すぎる。わざと値段を釣り上げているのでは?とも思えてくる。
いやその前に、紙面とHPを使って読者の「ジャッジ」を募った方が、あれこれ話の方向性がブレずに済むかもしれない。
なお今回の記事から中国新聞の記事は「サカスタ建設問題取材班」の署名入りとなった。
ぜひ、近いうちに意見交換させていただければ…
広島新サッカースタジアム取材班