開会式で宣誓するJT越川主将
Vプレミアリーグ 男子大会が、開幕しました。福岡県 福岡市民体育館にて、開会式がありました。
昨季優勝のJTサンダーズから入場し、全8チームが福岡市民体育館に集結。JTサンダーズ 主将の 越川優選手による、素晴らしい選手宣誓がありました!
開会式の後の、今シーズン第1試合が、昨季の優勝決定戦だった「サントリーvsJT」の好カード。
WOCの全日本男子の活躍により、“NEXT4”とやらの1人・サントリーの柳田選手だけ(!)を見にきた方もおられるようで、開幕戦 1日目は、SS指定席・S指定席・A指定席は早くから売り切れで、自由席も当日券が少しだけしかなく、それさえもすぐに完売。
自由席しか買えなかった(私のような)人達が、開場(第1試合の開始時間は14時。開場は11時)の2時間以上前から並び、開場時刻には長蛇の列でした。
第1試合は、満員状態での開始となりました。
結果は…
JT vs サントリー
20-25
25-20
25-20
25-21
セットカウント3-1でJTサンダーズが勝ちました!勝ち点3をget。サントリーはpoint0となりました。
今年のJTサンダーズは、優勝した昨年のメンバーから、優勝決定戦の時の、越川さんの対角のWS小澤くんが現役引退(東海大学大学院進学。東海大学男子バレーボール部コーチ)したため欠け、ベストリベロ賞を受賞したベテラン酒井さんは、サントリーに移籍。新戦力は、大卒新人リベロの唐川くんのみ。
Vリーグ連覇、三冠を目標に据えながらも若手の爆発力が今年の鍵、非常に厳しい戦いになる、と、ビスコ監督も越川主将も、インタビューで口を揃えて言うくらい「今年は苦しい戦いになるだろう」「優勝…つうか、ファイナル6初戦はグリアリであるから、6までには残ってくれ」というのが、古参のファンの偽らざる気持ちでした。
第1セット、JTはWS(サイドアタッカー。サーブレシーブも担う)には、越川主将・対角に八子くん。
MB(前衛でブロックの中心とセンター攻撃を担う)には、昨年、初のベスト6に選ばれた町野さんと、昨年は出番が少なかった安永くん(小澤くんと同期入社した若手。昨年度はサーブ成功率がとにかく低く使えなかった)、Sには深津(全日本男子の深津は三男。JTの深津は長男)、OPは今季2シーズン目となる、レオ。Lに、大卒新人の新戦力・唐川くん。
昨シーズンは居なくて、まだ未知の戦力が半分のこちらに対してサントリーは、山村・全日本男子で大活躍だった鈴木というMB陣、Sにも全日本選出の阿部、WSには、全日本で大活躍した2年目の柳田と、昨年度も大爆発で全日本男子がアジア大会で優勝した時にはメンバーとして活躍していた、栗山。Lは、新加入した酒井はベンチ外で、昨年の新人賞を取った、鶴田。
…と、考え得る限りの、実績と経験のあるベストメンバーで挑んできました。
今年はサントリーが勝つ!そのために酒井も取ってきた(出てないけど)。初戦からJTを叩いてやる!と言う、声が聞こえるような布陣でした。
数字(アタック決定率、サーブ効果率、サーブレシーブ成功率)は殆ど互角。ブロック決定本数がJT10に対してサントリー4で、ここでは差が出たけど、相手のミスによる得点も3点差くらい。
でも、結果は、point3を取ることが出来た、JTの勝利でした。
数字に表れないもの。
越川主将を中心に、若手が多いけれど、チームとしてギュッとまとまっているJT。
栗山新主将だけど、サーブで狙われてアップアップで全体が見れず、チームリーダーとしての役割を果たせていないサントリー。前主将の山村はフォローもしない。サントリーにはチームリーダーが不在でした。
タイムアウトの度に、監督の分析から出される指示を受けるJT。(第1セット取られた後の第2セットは、ローテーションをずらし、効果的なサーブをサーブが苦手な選手にキチンとぶつけられるようにし、自分たちに有利な状況を作るように指示。第2.3セットをJTが取った後にサントリー側がローテーションを回してきたけど、第4セットはそのローテーションでも相手の弱点をキチンとついていた)
作戦・監督指示にブレがなく、選手たちのプレーにも迷いがない。
個人の爆発的なプレーに期待するのではなく、とにかく、粘ってボールを繋ぎ、反撃出来るチャンスを待つ。ミスをしない。
この戦い方は、ビスコ監督の根幹であり、「チームの中で、今自分がやるべき仕事を、一人一人がキチンとやる」「基本的プレー(レシーブ。サーブ。)は確実に行い、ミスは許されない」
それがチームに浸透している。
ロシアのナショナルチームとの練習試合で、一方的にやられるのではなく、良い試合が出来ていたのは、この基本姿勢を貫いたからこそ。チームの誰かが触ったボールは、諦めずに追い掛けて繋ぐ。二段トスからでも攻撃出来る練習と、ブロックにぶち当てることなくリバウンドを取って攻撃を立て直す練習を合わせて、徹底的に行うことが出来ているのです。
それが、開幕戦のサントリー戦でも、しっかりと守られていました。
酒井のような熟練した“読み”はまだまだだけど、身体能力の高さで、次々とファインレシーブをした、新人・唐川くん。二段トスからでも冷静に攻撃をして、効果的に得点をあげた、越川さん。WOCでのうさを晴らすくらい、サーブにスパイクに、苦手なサーブレシーブもこれまでのムゴい数字に比べると格段にアップした八子くん。
そして、調子が上がらないなかでも、スパイク・サーブで相手の弱点をキチンとついて得点したレオ。レオはこの試合、サーブレシーブも1本して、フォローのためのスライディングレシーブもやりました!
セッターの「ツーアタック」は見たことあったけど、初めて見た「ダイレクトスパイク」(笑)。サントリー側の阿部は、え!?って感じで、対応出来ていませんでした。
ブロックポイントは10だけど、ワンタッチはキチンと取れていた(出来なかったのは第1セットだけ)ので、数字以上に仕事をしたMB陣。
控え選手サークルから、声を出して盛り上げていた控え選手たち。(特にスタメンリベロ初になる唐川くんへの応援をたくさんしてました)
対するサントリー側は、レシーブが苦手なWSが、昨季の1人(栗山)から2人(栗山、柳田)に増え、攻撃力はあがったのかもしれないけど、“穴”も大きくなった感じ(柳田選手のサーブレシーブはむごかった)。
サントリーの柳田選手のサーブは確かに凄いけど、連続ポイントを許したのは第1セットのみで、きっちりと一本で切ってました(唐川くんのレシーブで。しかも、Aパス!)。柳田選手は、サーブミスも非常に多く、一本は「バゴ~ン!!!」と強烈な音が体育館じゅうに響くほどの威力のサーブを、自チームの前衛の鈴木の後頭部にぶち当ててしまいました…。
この1勝・point3(サントリーにとっては、1敗・point0)は、大きいです!
凄いなあ、と思ったのは、ビスコ監督と徳元コーチの「あ」「うん」の呼吸。
監督がタイムを要求するな、と思われる時に、既に『ボタン』を持って待機しているんですよね。
相手監督がタイムをとるであろう場面も、監督・コーチ両方がその流れを読んでいて、立ち上がって、ドリンクの用意やその時間(相手が要求したタイムアウトの時間)で与える指示を、何を一番に話すかを整理している!
監督・コーチ以下の「スタッフ」が、自分のチームのことだけでなくて、試合全体の流れを読みながら、それこそ「自分のやるべき仕事」をキチンとやっている。
若手の伸びに期待するしかない選手層の薄さはありますが、このチームはまだ伸びしろがある(ビスコ監督がそう言ってました)ので、今年度の戦いにも、期待が持てる!!と思えた、初戦・サントリー戦でした。
JTサンダーズ「ブログウォッチャー」ちゃこ