右肘靭帯の部分断裂と診断された大瀬良はキャンプイン当初からキャッチボールをするにも時折、厳しい表情になった
右肘に違和感を訴え2月22日に沖縄から広島に戻っていた広島の大瀬良大地投手(24)の検査結果が25日、右肘靭帯部分断裂であることが判明した。
今後は2週間ほどボールを投げず加療に努め、その後、患部の状況を見極めつつリハビリ方法などを探っていく。
2014年にはヤンキースの田中将大が同様の症状で夏場から2カ月半に渡りリタイアした。さらに田中はその1年後に右肘の骨棘(骨にできる小さなトゲ)除去のため関節鏡視下手術も受けている。
快速球を武器にする大瀬良が今回、復帰までにどれほどの期間を必要とるかは不明だが少なくとも開幕からしばらくはチームに合流できない。
そうなるとポスト前田健太の一番手をチームは一番大事な時に失うことになる。昨季、開幕第4戦から7連敗してその結果、シーズンを棒に振ったかっこうの広島にとっては大きな戦力ダウンとなることは否めない。
大瀬良は昨秋のキャンプのころから右肘への負担を極力、避けているようでもあった。守備練習でも横から投げていた。
2月1日、宮崎・日南でのキャンプイン直後からも、どことなく元気がなかったし実際、最初のフリー打撃登板では思うようにストライクゾーンにボールが来ていなかった。
だが本人にしてみれば、多少の変調はあったにせよ最悪のケースにだけはならないとそう信じたかったに違いない。
人気、実力の両面でマエケンの後釜と目される右腕については黒田博樹も助言を送るなどしてローテーション投手の柱に育てようという周囲のムードも高まっていた。
しばらくはチームを離れての別行動となるが、そこでどれだけのことがやれて、その結果、右肘の回復をどこまで計算できるのか?
この時期に出遅れるとシーズンが長いようでどんどん時間が過ぎていく。大瀬良は敵との戦いの前にまず時間との戦いを強いられることになる。