5試合連続で3万1000人越えとなったマツダスタジアムで広島打線10得点…
5月1日、広島対中日8回戦(マツダスタジアム)
広島が連日大入りのマツダスタジアムで中日に3タテを食らわせ、3連勝で今季最多の貯金5、とした。
12球団ナンバーワンの得点力を誇る打線が5月、コイの季節を迎えてますます凄味を増してきた。
初回は3四球とエラーで1点、三回には鈴木誠也の適時打で1点。しかし先発の福井が乱調で五回表を終了して2対6、しかもまだ1安打…。
その裏の攻撃、菊池、丸と一番期待できる二人が簡単に倒れてツーアウト。中日先発のネイラーは勝ち投手の権利まであとアウトひとつ…。
ところがここからコイの打線は、にわかには信じがたい粘り腰を発揮する。
3試合ぶりスタメンに戻った2000本安打の新井貴浩が左前打すると、五番・松山も右前打して一、二塁。ここで打席に入ったのは四回の守りのミスが失点に直結した鈴木誠也。意地の一撃はレフト線への適時二塁打。1点を返してなお二、三塁。
すると鈴木誠也同様、スタメン争いのまっただ中にいる七番・安部も「覇気を出して打った」と2点適時打を右前に落とし、これで5対6。
八番・會澤も守りとリードではここまで四苦八苦…。その分を必死で取り返そうと9球粘って10球目を中前打…。
中日ベンチが動くなら一、三塁、打席に代打エルドレッド、というこの場面だったが、谷繁監督は動かず続投、エルドレッドとの勝負!
…で、結果はボールカウント2-1からの真っ直ぐを「完璧に打てた」というエルドレッドに軍配。同じくホームランを量産しているビシエドがファーストのポジションから見上げた打球は、真っ赤に染まった左中間スタンドに10号逆転3ランとなって突き刺さった。
今季は何度もこうした連打で勝ちを拾ってきた広島だが、今回は”あの”田中、菊池・丸の3人の力を借りずに圧巻の6連打。
なお、丸は続く六回にきっちり2試合連発となる6号2ランを放ち、終わってみれば今季29試合目で18度目の2桁安打、6度目の二桁得点となった。
ちなみに昨季と今季の広島の3・4月の数字を比べてみると…
昨季の3・4月は…
9勝16敗
69得点67失点
チーム打率・237
チーム防御率2・28
今季は…
16勝12敗
155得点111失点
チーム打率・283
チーム防御率3・69
試合数は3しか違わないのまるで”別人”のよう…。
前田健太が海を渡り、不安視された投手陣の方は数字を下げているが、それをカバーしてなおあまりある攻撃力。ただしロードでは6勝7敗と苦戦しており、月曜日からの東京ドーム(4月中旬にすでに広島は2連敗)での首位攻防戦が注目される。