将来、語り草となるであろう黒田と大谷の3番勝負は大谷に軍配…
日本シリーズ第3戦は日本ハムの三番DH・大谷が札幌ドームの大声援に応えて5打席すべてにハイパフォーマンスを発揮、チームに待望のシリーズ1勝目をもたらした。
延長十回の5打席目、二死二塁の場面では広島の4番手・大瀬良の投じた内角ボール球をライト前に打ち返すミラクルショットがサヨナラ打に…。すでに引退を表明し、プロ20年目で初の日本シリーズ登板となった広島先発・黒田の願いを打ち砕いた。
「僕の不甲斐ないピッチングで(日本シリーズ初戦に)負けてしまったので、とられた分の倍ぐらいは自分で取り返したいと思って打席に立っています」
お立ち台で秘めていた思いを打ち明けた大谷。初回は一死一塁の場面で黒田の初球を三塁線に二塁打。中田の先制打(遊ゴロ)へと繋いだ。
だが、日本ハム先発の有原が二回、エルドレッドに3戦連発となる逆転2ランを浴び、その後は投手戦に。四回、先頭の大谷はまたしても黒田から右中間に二塁打を放ったが、中田、岡は外野に飛ばせず、レアードも右飛、黒田によって抑え込まれた。
広島1点リードのまま迎えた六回、一死死無走者で大谷対黒田、3度目の対決は左飛。ところがこの時、黒田は必要以上に力が入ったのではないか?一度ベンチで痛めた足に治療を施しマウンドに戻って投球練習してみたものの、続投無理との判断に至って緊急降板。
逆に中盤から粘りの投球を続けていた有原の方は、7回1失点と試合を壊さないままブルペン陣へバトンを渡すことに成功した。
八回、日本ハム打線は広島が誇るセットアッパー、ジャクソンを攻略。二死二塁で大谷は歩かされ中田、意地のひと振りはレフト・松山が後逸する二塁打となり、一塁から大谷、勝ち越しのホームへ…
その後は日本ハム・栗山監督が九回を託した谷元が八番を打つ安部に同点適時打され試合は延長戦へ。両軍譲らぬ白熱の好ゲーム、驚異的な粘りを見せる赤ヘル野球を最後の最後で二刀流で”兜割”…という劇的なエンディングとなった。