島根スサノオマジック戦を前に佐古賢一ヘッドコーチを中心に、フォーメーションを確認する(トップ画像説明)
佐古ヘッドコーチの話を聞くダニエル・ディロン(右手前)、坂田央(中央手前)ら
広島ドラゴンフライズと島根スサノオマジック、中国地方最強のクラブはどちらか? さらに、その道はB.LEAGUE B2初代王者への道にも繋がっている。
”決戦”は、5月13日、14日の島根県松江市総合体育館…。B.LEAGUE B2プレーオフ準決勝が近づいてきた。このステージを勝ち上がれば悲願の B1自動昇格が決まる。(先に2勝した方が勝者)
B.LEAGUE B2西地区6クラブ最強の座は、すでに島根スサノオマジックの手に渡った。昨年9月にスタートした60試合の長丁場。最終結果は…
1位 島根スサノオマジック 51勝9敗、勝率8割5分
2位 広島ドラゴンフライズ 46勝14敗、勝率7割6分7厘
3位 熊本ヴォルターズ 44勝16敗 7割3分3厘
4位 愛媛オレンジバイキングス 29勝31敗、勝率4割8分3厘
5位 香川ファイブアローズ 19勝41敗、勝率3割1分7厘
6位 鹿児島レブナイズ7勝 53敗、勝率1割1分7厘
延々と続いた3強争いは島根スサノオマジックが逃げ切り成功、最後までもつれた広島と熊本はゲーム差1での結末を見た。
広島ドラゴンフライズは地区優勝した島根スサノオマジックに5ゲーム差をつけられたが、B23地区の各地区優勝クラブを除く15クラブの中で最高勝率をマーク、ワイルドカードでその3クラブと対戦するプレーオフに進出した。
…ということで、プレーオフでの対戦相手はB218クラブ最高勝率の島根スサノオマジック。そして、相手の方がクラブの歴史も古い。
島根スサノオマジックが誕生したのは2007年6月。広島ドラゴンフライズはそれより6年以上遅れて会社創立に漕ぎつけた。
中国地方初のプロバスケットボールクラブとして、B.LEAGUE の前身、Bjリーグに参戦した島根スサノオマジックは過去6シーズンでも5度のプレーオフを経験している。クラブを率いて2シーズン目の勝久マイケルヘッドコーチも今回、2度目のプレーオフを迎える。
島根スサノオマジックと広島ドラゴンフライズのレギュラーシーズンの数字を比べると次のようになる。
島根スサノオマジック 広島ドラゴンフライズ
平均得点 78・3点 80・6点
平均失点 63・1点 70・7点
得失点差 プラス909 プラス589
得失点差で言えば、熊本ヴォルターズがプラス392。西地区の残る3クラブはマイナスになっている。
島根スサノオマジックは守りが堅く、広島ドラゴンフライズは攻撃力…。シンプルに言えばそうなる。
直接対決では島根スサノオマジック4勝、広島ドラゴンフライズ2勝。スコアは次のとおり。
広島85-87島根〇
〇広島77-55島根
広島51-74島根〇
広島53-73島根〇
広島50-72島根〇
〇広島76-69島根
広島ドラゴンフライズは12日(金)の島根移動を前に広島市内で最終調整を続けている。10日の練習では、島根スサノオマジックのジョシュ・デービス、ウェイン・マーシャルらキーマン3人(画像では青いビブス)の動きを、ハーフコートで確認した。
直接対決では50得点台に抑えられた試合が3度もある。「島根の守備はリーグで一番」(佐古賢一ヘッドコーチ)。そこをどう崩し、いかに「シュート確率を上げていくか」(同)ということになる。
「攻撃力」の広島ドラゴンフライズが50得点台に抑えられた試合はあと2試合ある。いずれも熊本ヴォルターズ戦だった。そしてともに広島ドラゴンフライズは敗れている。やはり「3強」がぶつかると、そういう傾向になる。
際どいせめぎ合いで競り勝つための、島根スサノオマジックのディフェンスを振り切るための練習が続く。
だからと言って、オフェンスがすべて、という訳ではない。
広島ドラゴンフライズはリーグ戦ラスト10試合で4度、80失点以上を記録した。そのうち2つを落として、熊本ヴォルターズとのマッチレースにもつれ込んだ。
さらに言えば広島ドラゴンフライズは80失点以上が合計で8試合。島根スサノオマジックはわずか3試合しかない。
その内訳は、すでに紹介した広島ドラゴンフライズ85点のほかに、愛媛オレンジバイキングス 91点、香川ファイブアローズ81点…、で、島根スサノオマジックは愛媛戦、香川戦を落としている。
確認のため、最後に島根スサノオマジックが負けた9試合の対戦相手とスコアを記しておく。
56-64 熊本
55-77 広島
70-71 熊本
63-72 熊本
83-91 愛媛
45-65 名古屋(交流戦)
78-81 香川
69-76 広島
64-66 熊本
この数字からだけでも、島根スサノオマジックを倒すためのイメージはいろいろと膨らんでいく。中国山地を挟んで素晴らしいライバルが存在する。
広島サンプラザホールであったレギュラーシーズン最終戦、広島ドラゴンフライズ対愛媛オレンジバイキングス 戦のあとの記者会見で、愛媛オレンジバイキングス の河合竜児ヘッドコーチは「最初に廣島さんと島根さんが当たるのは惜しい、ともにB1に上がって欲しい」とエールを送っていたが、果たして…。