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2017年10月25日
編集部

ドラフト指名を受け、プロの舞台に立つと甲子園6発の中村奨成捕手(広陵)はどうなるか?

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中村奨成
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どんなスポーツでも抜群のパフォーマンスを発揮する、中村奨成捕手の立ち姿(トップ画像説明)

10月26日、ドラフト会議。注目のスラッガー、広陵高校の中村奨成捕手は母校で通常どおりの学校生活を送りながら”運命の時”を待つ。

中村奨成選手がなぜ今夏の大会で広島県予選準決勝から5戦連発をマークできたのか。なぜ、「清原越え」の1大会6本塁打を甲子園のスタンドに90度打ち分けることができたのか。

その秘密が「しなり」にあることは前回、記した。

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(2017年10月17日掲載)
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それだけではない。

中村奨成選手は181センチ、75、6キロ。見た目にも細身だ。だが、ただの細身であの芸当はできない。要するに”まだ細いのに抜群の飛距離が出る”ということになる。

「あいつはね、やるなと言っても(ホームランの時には)、打った瞬間にすぐ右手を挙げるんです。もしかしたら入らないかもしれんでしょ。でも、角度やいろいろなもので分かるんでしょうね。広島大会の準決勝、決勝…、打つたびに右手を挙げてましたから」(中井監督)

金属バットから木製バットへの適性を言う記事も多々、見かけるがそれは今後の課題なのでここでは触れない。

野球はうまいがサッカーやバスケはNG。日本にはそういうタイプの選手はいる。様々なスポーツに接する欧米とは文化が違う。仕方のない面もある。

だが、中村奨成選手は違う。広陵高校の体育の授業で何をやってもハイパフォーマンスを発揮する。水泳も、長距離も、だ。

甲子園常連校、あるいは名門校にはプロ選手並みの、出来上がった体の主軸打者がたくさんいる。トレーニング施設、理論が高校野球界にも浸透し、やればやるだけ筋力やスピード、あるいはその積となるパワーを身に着けることができる。

ところが中村奨成選手は高校3年間を通じて、自分の体重を使ったトレーニングは取り入れてもそれ以外のウエートトレなどは必要最低限に抑えてきた。”特Aクラス”の肩と足を有し、これまでは”スピード重視”の練習メニューだったことが窺える。

ちなみに中村奨成選手の現在の各種運動数値を見ていくと、瞬発力、敏捷性、柔軟性などの各項目は広島の社会人チーム、大学生チームの数値をも上回る。

今後、プロの道に進めば練習時間も量も増え、さらには様々なウエートトレも可能になる。そうなると、中村奨成選手は著しい”筋力アップ”を図ることになる。

「カープの四番」に短期間のうちに成長した鈴木誠也外野手も、プロに来てバットを振り込み、人並み外れた練習量をこなすことでみるみる体が大きくなった。みるみる飛距離も伸びていった。しかも思い切り振ることにこだわっていたスイングを、率の稼げる”内川式”に変えたにもかかわらず、である。

日本を代表するセカンドとなった菊池内野手もそう。広島にはダイヤモンドの原石を、否、赤だからルビーの原石を瞬く間に磨きあげる土壌がある。もちろん他球団に行っても、その色が違うだけで輝くを放つことには変わりない。

広島に育ち、甲子園夏の決勝の舞台に立つまではプロローグ。ドラフト指名を受けたあと、その野球人生はいよいよ本格的にスタートする。

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