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2018年07月11日
編集部

膝上まで泥につかる府中町災害現場…広島豪雨災害で顔の見えない松井市長と湯崎知事、災害に弱い広島空港など脆弱な交通インフラ致命的

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大雨
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岡山空港から安倍首相を乗せて飛び立つ自衛隊CH-47ヘリ
(7月11日午前、ひろスポ!岡山取材班撮影)

安佐南のcarps15です。今日のノムのヒーローインタビューで、広島に少しでも明るいニュースを届けられたとのコメント、あっぱれです。広範囲に広がった大災害を意識してのこと、素晴らしい。雨が過ぎれば災害の復旧に取りかからなければなりません。2014年の災害では行政は本当に動きが悪かったので、今回は、被災者をしっかりサポートしてもらいたいものです。ワンストップと言いつつ、たらい回しに会うなどいろいろありましたので。

7月7日(土)、東京ドームで広島は巨人に5対2で勝利。広島先発の野村投手は7回無失点の好投でヒーローインタビューを受けた。冒頭の読者からのメールはその時に届いたものだ。同投手の故郷、岡山県倉敷市も今回、大きな被害が出た。安倍総理大臣が訪問するほどの…

送られてきたメールには「2014年の災害では行政は本当に動きが悪かったので…」とある。

同様の声は非常に多い。それを意図的に抑えつけている者はいないか?今回はどれだけ前回の反省を活かすことができるか?できているか?

7月6日(金)には午後2時以降、広島市内でも次々に避難勧告が出され、午後6時過ぎには「府中大川が氾濫する危険性が極めて高いため広島市東区の一部に避難勧告発令」「対象は府中大川の洪水浸水想定地域」「速やかに避難を開始、屋外が危険な場合は頑丈な建物の上階や自宅の2階以上の部屋へすみやかに移動」という「エリアメール」が発信された。

さらに避難勧告対象地域は南区の「荒神町、大州小学校区の洪水浸水想定区域」にまで広がった。マツダスタジアムのあるエリアである。マツダスタジアムは洪水などの際の緊急退避施設になっている。

冒頭のメールにあるように、2014年8月に広島市を襲った大規模土砂災害は行政の対応の遅れが被害を拡大させたこともあり、「人災」であるとの指摘が相次いだ。

この時の広島市の対応はあまりにもお粗末で、日付が変わってまもなく同時多発的に土砂災害が発生しているにもかかわらず、夜が明けるまでほとんど対策は講じられなかった。広島市役所には助けを求める電話が殺到したが、対応したのは警備員。「最寄の区役所へ電話してみてください」という程度の対応しかできず、対策本部設置も完全に後手…。そのせいで多くの命が失われて行った。

災害発生日、松井市長はタクシーも使わず、公用車で登庁。記者から「もっと早く対応できなかったのか?」と聞かれ「自宅で寝たり、休んでたりした」と答えたのは有名な話で、ネット上にもそのことは記されている。

広島中央署の盗難事件とチケット問題続発のマツダスタジアム増設に何の関係性があるのか、「公権力に不審募る」の声…続編2(2017年6月10日掲載)
hirospo.com/pickup/38556.html

上記の記事の中では、別の事例を引用して広島市の松井市長の人命に対する認識の甘さを指摘した。

付け加えるなら次の記事…

広島新サッカースタジアム取材班にお叱りの声!中国新聞投書にも、広島中央署盗難ほか「公権力に不審募る」の声(2017年6月8日)
hirospo.com/pickup/38520.html

…この記事では「アクセス」が日本一しょぼい広島空港についても触れている。

…でまた、今回の未曽有の大災害である。

今回の西日本豪雨では呉市など多くの市町が陸の孤島と化した。広島~呉は航路が頼り。自衛隊の輸送艦も出動して”ガス欠”の呉市にタンクローリーを運ぶほどの事態となっている。

仮に富士山が大噴火すれば、東海道新幹線は長期に渡って使用不能になる。その際、広島にとっても生命線の東京との行き来は空路…という風にアクセスには選択肢が必要だ。

しかし、広島は交通インフラが脆弱で選択肢が少ない。とりわけ悲惨なのが広島空港のアクセスだ。

野村投手が巨人打線をねじ伏せた翌日、7月8日(日)の午前6時。呉市で1万6500戸が、岡山県でも3300戸が停電、と朝ニュースが報じた。午前9時のニュースでは山陽本線、呉線が水と土砂をかぶり、再開のメド立たず。広島空港は10便が欠航との情報が流された。

大雨の影響がライフラインを寸断し交通網もズタズタにしている、その具体的な状況が徐々に把握されつつあった。

午前11時前ニュースでは「県内死者27人に…」と深刻さはどんどん増していった。

この日昼前、東京のある記者からひろスポ!取材班に電話が入った。内容は「広島空港のHPで全日空、JALについてチェックしたが、特に搭乗には問題ないようなことになっている。東京から広島空港まで飛んでも大丈夫か?」というものだった。

「とんでもない、今、広島空港を使うと広島市内までのアクセスが大混乱だから無理」と返したが、当然ながらこうしたパーソナルな手段以外ではそれを知る術がない。それを知っていて航空会社も空港も知らん顔なら詐欺同然だが、この件は置いといて、こういう時こそ真っ先に自治体や関係組織が「役立つ情報」を発信すべきだ。

7月6日(金)午前6時の時点で山陽自動車道はすでに尾道ICから先、岡山方面は通行止めになっていた。トラックなど大型車両も次々に迂回路に回る。当然、ICを出て最初の信号のところから大渋滞だ。このころからすでに通常では考えられないようなトラブルが十分、予想される状況となりつつあった。

雨は強まり6日の午後3時過ぎ、ついに広島IC~西条IC間が通行止めになった。志和トンネル東坑口付近の区域外で土砂崩落が発生し、区域外から高速道路本線に土砂が流れ込む災害が発生したからだ。

この時点で広島空港は完全にアウト!

山陽自動車道はこれまでも”使えない”状態になり、そのたびに広島市方面への車両は国道2号線に流れ、そこから悲惨な大渋滞…というのがパターンになっていたが、今回はその国道2号線も瀬野川の流れによって”致命傷”を受け通行止め。

「だからあんな山の中に空港を造るなと言ったのに!」という反対派の人たちの声が今にも聞こえてきそうである。国任せ、行政任せ、人任せにした広島県民、広島市民の自己責任と言ってしまえばそれまでだが、ツケを払わされる側はたまったものじゃない。

ネット上には”非公式”であっても、よほど使い勝手のいい情報が上がっている。幹線道の大半が通行止めになり、残された道も大渋滞の矢野・熊野・呉地区などの道路状況をひと目でわかるようまとめた情報がfacebookに上げられたり、広島空港の「今」についても、有用な情報が8日(日)午後3時過ぎ、ヤフーニューズにアップされた。

広島空港が陸の孤島に。飛行機は飛んでいるが空港アクセスが混乱状態
鳥海高太朗 航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
news.yahoo.co.jp/byline/toriumikotaro/20180708-00088603/

上記記事の掲載は、前出の東京からひろスポ!取材班への問い合わせ電話からおよそ3時間後だった。ユーザー側のニーズにほぼ即応のタイミングとなっている。

この「タイミング」こそ災害時、緊急時における最大のキーワード。4年前の広島市と松井市長はその「タイミング」を完全に逸した。

広島市だけでもたった4年の短い周期で2度、大規模な自然災害に見舞われた。この先、もっとその回数が頻繁になる恐れもある。専門家がよくそんな話をしているのを耳にする。

各地で被害の拡大が叫ばれる中、大雨の危機が予測された5日(木)夜に飲み会、さらにはカジノ実施法案など審議を急ぐ安倍政権には避難の声が上がっているが、7日(土)午前には小野寺防衛大臣が「自衛隊21000人」出動の即応態勢や「人命救助」への強い意欲をテレビカメラに向かってコメントしていた。

また8日(日)には想像を絶するような冠水被害に見舞われた岡山県倉敷市の伊東香織市長の悲痛な表情もテレビニュースで報じられいた。

ところが死者、行方不明者の数が残念ながら最も多い広島県の湯崎知事、そして4年前と同じような土砂災害に見舞われた松井市長の声がメディアによって伝えられたのはこの時期、極めて限定的だった。

9日(月)の午後4時45分、小此木防災担当大臣が広島県庁を訪れた時、やっと湯崎知事の姿をニュースで見た程度。松井市長は10日(火)に広島市安佐南区口田の土砂災害被災地視察まで、おそらくテレビカメラに向けて声を発せなかったのではないか?もし、そうなら遅すぎる。また「タイミング」を逸したことになる。

国民感情を配慮し、安倍総理は11日(水)午前、羽田空港から岡山空港に到着。そこから自衛隊のヘリで被災地を上空から視察したあと、避難場所になっている倉敷市の小学校を訪れた。

青空と夏の陽射しが照りつける広島県安芸郡府中町では10日(火)になって大災害が発生した。府中大川の支流、榎川が氾濫したためだ。

11日(水)午前中には福山市瀬戸町で、ため池決壊に備えて避難指示が出された。雨が上がっても福山市もまた日常にはほど遠い状況で福山大学、福山平成大学などは14日(土)までの休校を発表している。

広島県内だけでも12の市と町で人命に関わる災害が発生し、断水で洗濯や風呂もなし、停電で携帯も使えず、食糧も飲料も事欠く中、土砂災害、冠水現場や付近の河川などでは懸命の捜索が続けられている。

11日(水)正午時点でNHKニュースによると、広島県内で亡くなった方の数60人、安否不明が44人。

広島スポーツ100年取材班

晴天の榎川氾濫で大きな被害の出ている広島県安芸郡府中町3丁目界隈(7月11日午前中撮影)

大雨

大雨
保育園に向かう親子は危なそうな場所は避ける

大雨
強行突破…

大雨
途中までは体重を支えていた泥が突然ぬかるみ、あっと言う間に膝下まで埋まる。埋まると簡単には脱出できない。

大雨

大雨

大雨

大雨
この一枚は貴重だ。各局が突如として泥流が橋のたもとを襲う衝撃的映像を流した場所から少し下流の榎川の流れは濁流のまま。よく見ると手前の緑の枝の先が泥にまみれている。この高さまで泥流の水位が上がり、下流の町に向かってさらに加速したことになる。

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