時代に逆行する広島、サンフレッチェ広島の本拠地、エディオンスタジアム広島では広島市都市整備局による陸上トラックなど陸上競技場施設の大がかりな改修工事が進行中、費用は約3億5千万円。これでは広島には国際Aマッチはいらない、と言ってるようなもの(撮影は2019年1月17日)
サッカースタジアム建設に手をこまねいている湯崎知事と松井市長が窮地に追い込まれることになりそうだ。こうなることは十分、予想された。
新サッカースタジアム取材班では、両首長の言動をひろスポ!に蓄積することで、ここまでの経緯を紹介している。興味のある方は、キーワードを入力して検索するといい。
1月18日付のスポニチが「Aマッチ、専用スタジアムのみ開催へ」の見出しの記事を掲載した。関係者の話として日本サッカー協会が2020年東京五輪のあとは国際Aマッチをサッカー専用スタジアムのみで開催する意向である、と紹介した。
もちろんそれは当然の流れで、別に驚くほどのことではない。
「観光」を新たな産業として人口減少社会の新たな収入源としたい今の日本において様々な形での集客や賑わいが可能な「スポーツ」はまさにキラーコンテンツ。
よって国家戦略の中に「マチナカスタジアム」「マチナカアリーナ」が重要なハードとして位置づけられ、しかもそれが「ベネフィット」イコール国民の生きがいも含めた多様な「利益」に直結する、という構図だから、2020東京は”これを逃すチャンスはない!”。
2020のあとから「さあ、祭りのあとをどうする?」ではダサ過ぎる。だから、もうすでに複数の自治体がその国家戦略に乗り遅れまいと躍起になっている。
なのにこの広島ときたら…である。
以下、ひろスポ!記事の中から関連する再提言のものを列挙する。
広島市民球場解体決定からまる5年、そして東京五輪を5年後に控え何も変わらない虚無空間の前で、川風の街、七色の光…#10(2015年6月18日掲載)
hirospo.com/pickup/18940.html
松井市長、湯崎知事らトップ会談でサッカースタジアムは”筋書き”通り「宇品へ…」とはいかない切実な事情、このままでは空中分解の可能性大(2015年7月22日掲載)
hirospo.com/pickup/19850.html
サンフレッチェ広島世界王者に前進、サッカースタジアム問題は停滞、で「エディスタに3万人が集まる悲惨な状況…」に反響続々…(2015年12月11日掲載)
hirospo.com/pickup/24095.html
そんなに言うなら!?市民・県民・サポのみなさんに聞いてみよう!広島の新サッカースタジアム建設場所は宇品か?旧広島市民球場跡地か?(2016年1月26日掲載)
hirospo.com/pickup/25785.html
広島の新サッカースタジアム建設場所、「民意」は顕著!宇品推す声ゼロ、旧広島市民球場跡地推す声24票、福岡はアジアのゲートウェイに、広島は何を目指す?(2016年2月8日掲載)
hirospo.com/pickup/26284.html
シンパイ!広島県からセンパイ!広島県へ、旧広島市民球場跡地へのサッカースタジアム建設で産業構造大変革!わしらは”スポーツ”立都市”を目指すんじゃ!(2016年4月11日掲載)
hirospo.com/pickup/28538.html
上の記事の内容をひと言でまとめると国家戦略として「スタジアム・アリーナをコストセンターからプロフィットセンターへ」。スポーツ市場を2~3倍へと拡大させ、GDP600兆円到達へのエンジンのひとつに仕立て上げたいという(日本の名目GDPは2018年10月推計で557兆円)。
続いてその1年後、2017年4月10日には以下の記事をアップした。
安倍首相から名指しされた!?広島…まったく聞かなくなった?広島サッカースタジアム問題、実は国家戦略として進行中!
hirospo.com/pickup/37261.html
そのほか、新サッカースタジアム取材班(現在はひろスタ!特命取材班)が直接、広島市の担当者とやりとりしたものもある。
広島サッカースタジアム問題「旧広島市民球場跡地」支持率70%越えの市民・県民らの声、広島市文化スポーツ部に持ち込まれる(2016年11月6日掲載)
hirospo.com/carp/33722.html
広島サッカースタジアム問題、「みなさん、球場跡地がいいとなるのは想像がつきます」と広島市当局も納得顔!?(2016年11月7日掲載)
hirospo.com/pickup/33746.html
こうしてなんだ、かんだと不毛な時を過ごしているうちに最近では次のようなことになった。
それ見たことかの声…日本ハム新球場ボールパーク”発進”、広島はその当時サッカースタジアムは「広島みなと公園優位」の致命的ミスジャッジ!(2018年11月6日掲載)
hirospo.com/pickup/51116.html
日本ハム新球場のほか、「V・ファーレン新スタジアム(長崎市)」「広島市サッカースタジアム」も明記、国家戦略のまちなかスタジアム(2018年11月7日掲載)
hirospo.com/pickup/51153.html
J2へ自動降格の長崎、しかし本当の結果が出るのは5年先、10年先…新スタジアム発表から2週間で地元財界アシストのコンビネーションに広島完敗(2018年11月19日掲載)
hirospo.com/pickup/51457.html
引用すればキリがないのでこのへんで止めておく。
ちなみにV・ファーレン長崎は今季からJ2だ。同じく広島よりずっと遅れてスタジアムの話が持ち上がりとっくに新スタジアムを完成させたギラヴァンツ北九州は昨年、J3の17クラブ中、最下位だ。それでも素晴らしいスタジアムを有している。なお、ギラヴァンツ北九州はサンフレッチェ広島(マツダ)出身の小林伸二新監督を迎え、反抗に転じる余地を残している。
広島がさらに迷走するであろうことは、次の記事を見れば誰でも予想できる。
特報!中央公園にサッカースタジアムを建てるつもりでひろスポ!独自に検討、広くて自由に使えるなんて言ったのは誰?旧広島市民球場跡地より狭いじゃないか!
(2017年8月28日掲載)
hirospo.com/pickup/40228.html
「国家」はもちろんのこと「日本サッカー協会」が望むようなスタジアムを創るには「中央公園」はあらゆる意味で窮屈だ。しかし湯崎知事と松井市長は広島商工会議所の深山会頭との共同路線を敷く中で”とりあえず”広島サッカーを「中央公園」に引っ張り込もうとしている。
広島のサッカー関係者はサンフレッチェ広島だけではない。今の流れの中には広島県サッカー協会や広島でサッカーに関係する子ども、学生、女性、大人たちの声がまったく反映されていない。
そのことと我らが森保監督の率いるA代表がサッカー専用スタジアムでしか試合をやらない、という方針は重なっている部分が多い。地域住民本位、利用者本位…
広島のスタジアム問題の最大の課題は、このことをろくに論じてこなかったことにある。
ひろスタ!特命取材班
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