画像は広島市内で会見に臨んだ田嶋幸三会長
日本サッカー協会の田嶋幸三会長が4月27日、広島市東区のホテルで広島のメディア関係者を対象とした会見に臨んだ。同協会の9地域訪問会議(中国)がこの日、開催されたため、広島県サッカー協会がセッティングした。
田嶋会長は筑波大学体育専門学科を1980年3月に卒業。同年4月、古河電気工業株式会社に入社。その後83年から86年までは西ドイツ、ケルンスポーツ大学。
87年3月には筑波大学大学院修士課程体育研究科 修了。88年から立教大学で教鞭を執りながら94年には日本サッカー協会の強化委員会副委員長になり、ドーハの悲劇(2013年10月28日)以降の日本サッカーの強化に努めた。98年からは同協会の強化委員会委員、常務理事、専務理事など。
2010年7月から16年3月まで同協会副会長。11年1月にはアジアサッカー連盟理事、15年6月からは国際サッカー連盟(FIFA)理事となり、日本サッカーとアジア、世界を繋ぐパイプ役に。
そして、16年3月から日本サッカー協会会長。
4月6日にはアジア・サッカー連盟(AFC)選出のFIFA理事選で再選を果たしたばかり。
18年4月5日の日本代表監督 ハリルホジッチ氏の電撃解任と、西野ジャパンの誕生並びに同年6月19日、W杯ロシア大会における「サランスクの奇跡」、同年7月26日の日本代表 森保一新監督へのバトンリレー、その前年17年10月12日の森保一氏の東京五輪監督就任もすべて田嶋幸三会長の下で進められた。
プレーヤー・指導者としての横顔は…
1976年 浦和市立南高等学校、全国高校サッカー選手権大会優勝
1979年 筑波大学蹴球部、全日本大学サッカー選手権大会優勝
1979年~80年 日本代表Aマッチ7試合出場
1980年~83年 古河電気工業株式会社サッカー部
1996年 日本サッカー協会S級ライセンス取得
1999年~2000年 U-16、U-17、U-18日本代表監督
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会見の冒頭では広島のサッカースタジアム建設に関する質疑があった。内容は次のとおり。
田嶋会長
やっと構想が固まってきたということで、長年に渡ってスタジアム建設に向け努力されてきた多くの方々、広島市広島県といった行政の皆様には改めて感謝を申し上げたいと思います。
ヨーロッパではスタジアムがまちなかスタジアムはもう主流です。ヨーロッパではスタジアムはまちなかにあり、多くの市民の方が試合以外の時もそこに集います。(スタジアムの)場所が決まり、そこが3万なのか2万5000なのか規模もだいたい決まったと…
県民市民の方々がサッカーの試合を観る場所というだけでなく、毎日そこで何かを楽しめる、緑のスタジアムを見ることでスポーツをしようとか、健康に役立つものとかそういう様々な施設を包括しているスタジアムが多くなっています。
ただ広島のスタジアムの具体的な構想はまだとうかがっております。ぜひ多くの方が楽しめて週末にはサンフレッチェ広島の素晴らしい試合にみなさんが感動、熱狂するようなそういうスタジアムにして欲しいと思っています。
-日本代表戦を開催するにはスタジアムのキャパが4万人以上というのが、日本サッカー協会のスタジアム建設のガイドラインには記してあります。広島で代表戦開催は可能でしょうか?
田嶋会長
日本代表の試合は(国内どこでも)何年に1回か、となります。最も大切なのはサンフレッチェにとってどれくらいの規模が一番妥当であるか、多くのサポーター方たちがそこにどれぐらい集まるのか、それを中心に考えていただくことです。
2万なのか3万なのか4万なのか、一番いいサイズを決めていただくのが我々もいいと思います。そして日本代表の試合を招致するかどうかは今すぐにお約束できることではありませんが、現状では4万人以上のスタジアムでサムライブルーの試合を開催すると我々は謳っています。
ただ神戸のように3万人台でも試合をしているのも事実です。(ノエビアスタジアム神戸は2万8,425人収容)今後、対戦相手等によっては3万人規模のスタジアムやるということも考えられると思っています。
今回、11月にはオリンピックチームが広島でお世話になる訳ですけども、我々としてはなるべくフットボールスタジアム(サッカー専用スタジアム)で試合をやっていこうと考えていますので今回、広島にスタジアムができることに関しては本当にありがたいことだと思っています。
-日本サッカー協会さんの方からスタジアム建設あたっての支援はありますか?
田嶋会長
サッカー協会では2002年の(日韓共催)ワールドカップのレガシーとして、各都道府県協会にフットボールセンターに作っていただくための施設助成金を約200億円お渡ししてあります。川渕三郎キャプテンの時にスタートして今も継続しています。47都道府県の施設をサポートしていこうと。Jリーグのスタジアムとなると額が簡単なものではありませんので、残念ながら資金の協力は考えておりせん。(一方で)古田(広島県サッカー協会)会長、サンフレッチェ広島の城福監督、いろんな方から様々な情報をいただいており、ことあるごとにスタジアムの必要性、街中にあることの重要性を我々もことあるごとに謳ってきています。
-広島のサッカースタジアム問題の経緯は複雑なのですが、何かアドバイスはございますか?
田嶋会長
経緯についてはすべて把握している訳ではありません。ただこのようなスタジアムを多額の費用で作るためには商工会議所や自治体にしっかり連係をとっていただき、話をしていただかないといけないと思います。できた暁にはサンフレッチェ広島、県協会が中心となってJリーグ、天皇杯、我々の代表の試合、なでしこの試合をもってこられる訳で、我々も連係しながら新しくできたスタジアムには価値のある試合をもってきたいと思います。
-平和都市広島のまちなかにスタジアムができることについて。
田嶋会長
私も父が長崎で非常に敏感なところです。非常に多くの外国人の方を新幹線で来た時、目にしましたし、原爆資料館オープンのニュースも見ました。そういう意味でも非常に意義のあることだと思っています。
平和公園も近くて、素晴らしいスタジアムということが知れ渡るような、ただ単にサッカーのスタジアムというのではなく、世界に誇れるスタジアムにしてもらえたらなという気持ちでいます。