報道陣のリクエストで、地区優勝のシャーレを手にした広島ドラゴンフライズの堀田剛司ヘッドコーチだが笑顔はない…
B3リーグは3月16日、開催延期となっていた2月28日から3月15日分の試合も含めて、3月21日以降3月いっぱいのリーグ戦中止を発表した。
無観客試合での実施、代替試合を行う日程と会場の確保などを検討したが、クラブへの経済的負担の大きさに配慮した。新型コロナウイルス感染拡大の状況を見極めつつ4月以降について再検討する。全62試合が中止となった。
B1、B2はBリーグ、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグの下で運営されている。
B3は一般社団法人ジャパン・バスケットボール・リーグ。組織上は別だが、B3がB2、B1への登竜門であることに変わりはない。
B1、B2は3月14日、15日にリーグ戦を無観客で再開した。しかし14日には選手の発熱によりB1で1試合がtip off’直前になって中止された。
15日、今度は審判のひとりが発熱してB1で1試合が中止に追い込まれた。
またB1では、新型コロナウイルス感染の問題と向き合う中で外国籍選手がチームに帯同しない状況(クラブ側も選手の意思を尊重)も生まれており、対戦の意義すら問われる状況となりつつある。
広島ドラゴンフライズは3月15日、無観客のホームでB2西地区優勝を決めた。すでにプレーオフ出場は決めていたため、あくまでこの日はクラブ史上初のV、という栄冠を手にした”だけ”となった。
試合後、堀田剛司ヘッドコーチは最後まで笑顔のないまま次のように訴えた。事態の深刻さはなかなか表に伝わりにくい状況だが、当事者にとってはまさに死活問題。広島スポーツ界にとっても、だ。
堀田剛司ヘッドコーチの話
みなさんのおかげで優勝できました。選手たちはコロナウイルスの恐怖とメンタルの部分で戦わなくちゃいけないところがありました。中にはやりたくない、という選手も出てくるかもしれませんし…広島ではありませんがほかのチームではそういう話も聞いています。
モチベーションをどうもっていくか、すごく厳しいところ。Bリーグには選手を守ってもらいたいな、というのがあります。私の個人的な意見ですけど。
危険に選手を晒しています。改善してもらいたい。
ここまでの道のりは、いろいろトラブルもありながら、チームとしてだんだん仕上がってきて、きょうは西地区優勝決まるよ、とみんな知っていたので、ミーティングでも話をしていいモチベーションで盛り上がって、チームワークがまた良くなったと思います。
次の福岡戦に向けしっかり準備してプレーオフに向け勝ち切ることが大事だと思います。B2で優勝してB1昇格を目指します。
初めての優勝、これに満足しないで。僕らが目指しているのはまだ高いところなので…
無観客試合で、バスケットライブでたくさんの方が観戦されて、そういたファンの方に向けて選手たちがいいパフォーマンスをして、きょうなんかは快勝で少しでもみなさんへの力になればと思っています。
一番いいのは何も心配なく最後までやれることですが、なかなかそうもいかないでしょうし、中止になった場合、昇格がどうなるのか不安です。期間を置いてまたやります、というのならそれに向けてしっかり準備しますが、中止になった時は怖いですね。このシーズンをもう1回、やり直し…わかんないですよね?あり得る?
そこはもうリーグが決めることで従うしかないのですが…
実際、昨日の試合でも(B1では)熱が出て中止になっている状況でもありますし…世界では検査をして陰性か陽性か分かるけど、日本の場合はそうではない。再開するなら全選手を検査するとか、しないと選手としては怖いですよね。誰かが感染しているかもしれません、症状が出ていないだけで…
汗が飛び散って肌も…絶対、うつりますよね?そこを整理してからでないと。選手も選手の家族も不安ですよね。そこがあいまいな感じで始まりましたから。リーグの試合消化を考えてばかり?逆にブースターの方はこういう無観客でもネット観戦できて嬉しいということもあるでしょうし…ただヘッドコーチの立場では選手を守ってあげたいというのはすごく感じていて、そこは改善してもらいたいなと思います。