遠藤・坂倉の広島U22バッテリー、坂本、丸、岡本との勝負を制して118球”覚醒”完投！

８月２日〇９－２　巨人　東京ドーム
通算13勝19敗４分け（首位巨人に８差、中日と勝差なしの単独最下位）
14時00分開始・２時間57分、4,989人
相手先発　桜井●２回３分の１、７安打５失点
本塁打　鈴木誠11号②、西川４号③
抹消　床田
登録　高橋樹

一番センター西川
二番セカンド菊池涼
三番レフト長野
四番ライト鈴木誠
五番ファースト松山
六番サード堂林
七番キャッチャー坂倉
八番ショート田中広
九番ピッチャー遠藤〇（６試合２勝１敗）９回118球５安打２失点（自責２）

実質、８月１日が”終戦記念日”になった広島はこの日、遠藤と坂倉、21歳と22歳バッテリーによる”完投記念日”を迎えた。両者が逆、なら佐々岡監督ももっと喜んだろうに…

この日、先発した巨人の桜井は前日の床田同様、”即二軍行き”となる投球内容。そこを12球団最高打率の広島打線が見逃すはずもなく初回に鈴木誠が11号2ランを放ち若いバッテリーを援護した。

二回は先頭の坂倉自らがレフトフェン直二塁打。西川の右前打で加点に成功！三回の坂倉はライトフェン直二塁打で桜井をKO。続く田中広が空振り三振に倒れても、今度は遠藤が中前２点適時打。序盤を終えて５対１になった。

”４点リードで最終回”が最下位に沈む今の広島の合言葉？

ならばU22バッテリーで投げ切るのが勝利への近道だ。

佐々岡監督との出会いは指揮官の二軍投手コーチ時代。以来、その素質を認められ大きな期待を懸けられている遠藤は今季、６月25日の東京ドームでプロ初先発。結果は５回６安打３失点で勝ち負けつかず。丸に適時打され坂本には２ランを許した。

そのあともローテを守ってきたがその結果は…

７月５日　阪神（マツダ）●５回６安打８失点
12日　中日（ナゴド）〇６回５安打１失点
19日　ヤク（マツダ）－５回５安打１失点
26日　DB（横浜ス）－２回４安打５失点

殻を破りきれずに前回は２回KOと二軍降格の危機に直面した。

もちろん悔しいのは本人。しかし阪神戦でホームラン３発を食らったこともあり、中日戦からの３試合は坂倉から曾澤にスタメンマスクが変更されていた。坂倉もまた自分のため、遠藤のためにとこの日のために牙を研いできたことになる。

終わってみれば圧巻の118球完投勝ち。試合後に遠藤は「とても気持ちいいです。先発の理想像だったので…」とコメントした。投げている途中から遠藤の脳内に大量のドーパミンが分泌されたのだろう。

DeNA戦では二回につかまり梶谷の３ランを含む５失点。ただしそれは打たれるべくして打たれたもの。ボール２、ボール３と自分で自分を苦しくさせてはジャストミートされるその繰り返し。だいたい「完投」したいなら球数は少ないほどいい。

だからこの日は初回、いきなりバックのエラーで無死一塁になっても続く坂本を１球で併殺網にひっかけた。先輩投手陣がこっぴどくやられてきた丸と岡本にも初球からゾーンで勝負。丸にはさすがに右前打されたが岡本は低めの真っ直ぐで二飛に仕留めた。

二回、大城にソロを許してもストライク先行はそのまま。３回で39球は理想的な入りとなり、四回には先頭の丸を空振り三振に、岡本もカーブで捕ゴロと手玉に取った。

六回、アウトローの１４４キロで見逃し三振を奪った坂本に九回、レフトスタンドまで運ばれたのは若いバッテリーの次回への課題、ということでOK！

昨季、プロ２年めで中継ぎで34試合も投げさせてもらい、芽生えた「完投」への憧れを現実にするその実行力。巨人までのゲーム差「８」の現実を受け止めつつも、この日のU22広島バッテリーの活躍は佐々岡カープ浮上のきっかけとなる可能性も秘めている。（ひろスポ！・田辺一球）

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