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2020年11月21日
編集部

福山シティFCの挑戦(2)ピッチでは「打倒J」ピッチ外では「ライバルを作らない戦い」で備後圏からオンリーワンの30億円、100億円クラブを目指す…

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エフピコアリーナふくやま
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画像は、エフピコアリーナふくやま側から臨む南側の風景、この広大な未利用地に福山市はどんなグランドデザインを描くか?福山シティFCの掲げる「新ビジョン」は今後、どう地元に浸透していくか…

 

福山シティFCの挑戦(2)ピッチでは「打倒J」ピッチ外では「ライバルを作らない戦い」で備後圏からオンリーワンの30億円、100億円クラブを目指す…

……

 

福山シティFCを展開する福山シティフットボールクラブ(岡本桂大代表)では11月29日(日)、「備後せとうちドリームマッチ2020」を岡山県笠岡陸上競技場(岡山県笠岡市平成町)で開催する。

グルメ等のイベントブースやプレゼントもある。入場無料。午後1時からJXTGエネルギー(中国リーグ)とフレンドリーマッチで対戦する。観戦も無料。ただし。新型コロナウイルス対策として、500名までの入場制限がある。

 

福山シティFCは11月15日にも、福山市のエフピコアリーナふくやま(市総合体育館)で開催されたBリーグ公式戦(広島ドラゴンフライズ対宇都宮ブレックス)でのイベントに参加。広島ドラゴンフライズとのコラボレーションで、小・中学生対象のバスケ&サッカー体験教室を開いた。

…が、福山シティFCの今シーズンはまだ終わっていない。むしろここからが本番だ。

「Jクラブを倒す」(小谷野拓夢監督)という今季の目標のひとつにフォーカスして初の広島県代表として参戦した天皇杯では2回戦、3回戦で中国リーグ勢を倒し、中国ブロック代表の座を確保。次は4回戦に挑む。

……

福山シティFCの前身、福山SCCサッカートップチームは2017年2月に誕生した。もともとの活動の始まりは福山青年会議所が、スポーツを通じた街づくり運動を具体化するためにと旗揚げした「福山にプロサッカークラブを作ろう会」だ。

そしてちょうど1年前の2019年11月に新体制に移行し、新たなビジョン「福山の次なる100年へ―地域課題解決型クラブの挑戦」も発表された。

 

1年前に発表された新ビジョンの中では…

2020年 スタジアム候補地決定
2021年 中国リーグ昇格
2022年 JFLで優勝してJ3へ
2023年 専用スタジアムを確保したJ3の福山シティFC”誕生”

…となっていた。だがコロナの影響で広島県社会人1部リーグと中国リーグの入れ替えがなくなり、天皇杯での打倒Jリーグ勢と共に2大目標だった中国リーグ昇格はならなかった。

「新ビジョン」は1年遅れのまま続行される。ゆえにJ3の舞台に立つのは計画通りなら2024年。

 

岡本桂大代表は「まずは我々の活動を認知してもらうこと、そして経営の安定化と選手・スタッフの強化も同時に進めています」と話す。岡本代表はGMも兼務しているため、この言葉通り同時進行で1年ごとステップアップしていくことになる。

岡本代表のモノの見方考え方は様々な場面で紹介されているが、その発想の根底にあるのは、あの宮本武蔵の五輪書だという。

五輪書では、兵法の道が地・水・火・風・空の5巻に分けて記してある。「地」では武道の道の大枠が示され「水」では剣術の核となる理論が、「火」では戦い方のノウハウがまとめられている。

岡本代表によれば「第3章までが我々で言う経営基盤の安定化、イコール30億円規模のクラブ経営を目指す」ことになる。さらに「風」ではJリーグの中でも手本となるようなクラブへ成長すること、「空」では100億円規模のクラブの域に達すること、と夢は大きい。

Jリーグが5月に公表した「2019年度クラブ経営情報開示資料」によれば、Jリーグオリジナル10のサンフレッチェ広島の「営業収益」が約37億円、スター軍団を要するヴィッセル神戸が約114億円だ。

人口約47万人の福山都市圏で100億円は…と思わず首を傾げたくもなるが、そこで足踏みしていては、国内経済が萎み行くこの国の未来に光は射してこないのだろう。福山市の人口は2040年代には40万人に、2060年代には31万人程度に減少するという予測がある。よって1年前に発表した新ビジョンのタイトルに「福山の次なる100年へ」とある通り、長いスパンでクラブを地域の宝として育てていく、育ててもらう必要がある。

同時に、福山に本拠地を置くクラブではあるが、商圏はさにあらず。全国市場、アジア圏、そして世界市場を福山から見据える。備後圏にはオンリーワン企業、グローバル企業が多数存在するから、その潮流に乗り、応援してくれる地元の人たち、地元企業、地元自治体に支えてもらえる仕組み作りを進める。そしてやがては、生涯負け知らずだった宮本武蔵のようにその名を”世界”に轟かせる、というのが「福山の次なる100年」のあるべき姿ということになる。

「福山駅前再生ビジョン」ほか、あるべき姿を模索する中で紆余曲折が続く福山市としても「スポーツ」を核としたソフト面の充実は最重要課題のひとつ。

福山市は同市千代田町の市営競馬場跡地に2019年12月、エフピコアリーナふくやまを竣工させた。その南隣には雨水貯水機能工事を終えた広大な未利用地が広がる。多目的広場として市民に貸し出すというが、暫定利用をいつまでも続ける訳にはいかない。優にフル規格のサッカー場が2面取れるような巨大スぺースだ。「スポーツ施設ばかりにカネをかける訳にはいかない」との声がある中でも、何かのきっかけやタイミングで資金問題や市民の合意形成がクリアになれば、新スタジアム候補地としての話が具体化する可能性もある。

サッカー競技施設で言えば福山ではツネイシLR株式会社(本社は広島県福山市沼隈町)のツネイシしまなみビレッジがよく知られている。しかし、同施設の研修・宿泊施設は11月いっぱいで休止され、サッカー場は継続運営される。既存の施設も含めていかに有効活用していくことができるか?

繰り返しになるが、それもこれも「福山の次なる100年」の街作りため、である。

「Jリーグ参入のためには2022年、組織の株式会社化が必要です。ビジョンで掲げた理想と現実を一致させていく作業を続け、環境の変化に対応できる組織作りを、自分たちの軸をブレることなく進めている最中です。目指すのはオンリーワン。我々はライバルを作らない戦いをします。だから別のクラブが備後圏に誕生しても構いません。何もないところから未来を作る、勝負の世界でしか生み出せない数々の感動を、みなさんに届けたいと思っています」(岡本代表)

福山市のお隣、岡山県笠岡陸上競技場で開催されるJXTGエネルギー戦は、フレンドリーマッチとはいえ福山シティFCにとっては大事な調整の場になる。その2週間後、12月13日には天皇杯4回戦(広島広域公園第一球技場)でアルテリーヴォ和歌山(関西リーグ)と対戦する。ここを突破してさらに5回戦も勝ち上がれば、準々決勝では、今季J3優勝を早々と決めたブラウブリッツ秋田(来季J2)が、その”冬の稲妻”のような牙を研いで待ち受けている。

ひろスポ!広島スポーツ100年取材班

 

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