画像中央が齋原みず稀選手(広島大学4年時撮影)
サンフレッチェ広島女子、愛媛FCレディースから4選手獲得、広島出身なでしこU17世界一のFW齋原みず稀も地元凱旋
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サンフレッチェ広島は1月8日、愛媛FCレディース所属の山口千尋、上野真実、齋原みず稀、呉屋絵理子の4選手をサンフレッチェ広島女子チームに完全移籍で獲得したと発表した。
1クラブから同時に4人の選手が移籍するのは異例。3人はいずれも23歳または24歳で、将来の“伸びしろ”が期待できる。
サンフレッチェ広島は愛媛FCとは長らく協力関係にある。2006年、同クラブがJ2に参戦した際には、髙萩洋次郎、森脇良太、田村祐基が期限付き移籍した。
J2所属の愛媛FCの女子チームである愛媛FCレディースは、2011年に結成された。2012年からチャレンジリーグに参入。アンジュヴィオレ広島などとチャレンジリーグWESTで対戦しながら地力をつけていった。
なでしこリーグが2部制から3部制(チャレンジリーグスタート)へ移行された2015年から、愛媛FCレディースはなでしこリーグ2部へ。続いて2019年にはリーグ優勝を果たし1部へ昇格した。
しかし2020年7月のWEリーグ入会申請の際には早い時期から「申請しない」態度を明らかにしていた。2020年シーズンは、なでしこリーグ1部で最下位に終わった。
今回、愛媛FCレディースから完全移籍した4人の中には、サンフレッチェ広島女子チームへの加入が発表された計12人の中で初めてとなる広島県出身選手、171センチの長身FW齋原みず稀がいる。
同選手は沼田高校2年時に、コスタリカで開催されたU−17女子ワールド杯2014において世界一に輝いた。同時に所属先のアンジュヴィオレ広島でもチームの得点源として活躍した。
広島大学教育学部に進むと大学チームの中心選手として力をつけ3年時になでしこリーグ特別指定選手に認定され大学チームに所属しながら2部のバニーズ京都FCの公式戦に出場。大学卒業後に愛媛FCレディースに加入した。
その身体能力の高さには定評があり、強烈なシュート力と突破力が最大の武器。
サンフレッチェ広島女子チームは、そもそもまだチーム名すらまだ決まっていない。未知数な部分が多い中、地元スター選手の活躍があれば、生まれたてのクラブの活力となることは間違いない。
とはいえ、ゼロからスタートするだけに「地元」にばかりこだわっている余裕はない。そんな状況下でも地元女子クラブ発足のタイミングで新加入が決まった齋原みず稀のモチベーションは高く、個人としても「フル代表目標」の夢へまた一歩近づいたことになる。