画像は鈴木誠也
誠也よ、「初球から襲い掛かれ!」
よくあるスポーツ紙の見出しなら、こういう感じだろう。
※ひろスポ!取材班は1996年アトランタ五輪でスポニチ取材班のひとりとしてお世話になりました。現在、スポニチ紙面では、アトランタ五輪野球で銀メダルの川島勝司氏の連載コラムを連載中です。川島監督の下、米国やキューバに挑んだあのチームの結束力、強さ、しなやかさは特筆すべきものだと記憶しています。事前合宿で訪れたフロリダ州フォートマイヤーの海辺のリゾート地で買い物した楽しい思い出も含めて…
ほかでもない鈴木誠也の侍ジャパンの四番としての振る舞いについてだ。冒頭のセリフは広島関係者から発信された。
きょう7月28日の五輪野球、初戦を控え前日練習で鈴木誠也が「バッティングの状態はもうクソですね」としたコメントは瞬く間にネットニュースで広まった。
なぜ「クソ」なのか?
2月のキャンプで大谷翔平とスマホで連絡を取り合いつつ挑戦したであろう「トラウト打法」が中途半端なまま、開幕を迎えたからか。
5月17日深夜に広島球団が発表したマツダスタジアムクラスターに巻き込まれて体力を消耗したせいか。
6月21日に接種したワクチン副反応で左腕が思うように挙げられない状況が足を引っ張ったからなのか。
はたまた日の丸の言い知れぬ重圧のせいか。
おそらく複合的な要因で「クソ」状態と表現するに至ったのだろう。
だがそこにもうひとつ。
国際試合特有の相手チームのデータ分析とその数字…そこに引っ張られ過ぎると「ミソクソ」になりかねない。「来た球を振るぐらいでちょうどいい」鈴木誠也の打撃をよく知る関係者のひとりは、そう言い切る。
ヒントは侍ジャパンの面々もテレビ画面を凝視したであろう、横浜スタジアムでの日本-米国ソフトボール決勝の中にある。
1点リードの日本。続く五回の二死一塁で勝負所とみた米国は191センチ左腕のアボットを送り込んできた。打席には“倭(やまと)”魂を大きく報じられてきた二刀流、藤田。その初球満振りでファウル、さらにファウル、ファウル…たまらずアボットは4球目で暴投、チャンスが広がり、すかさず藤田が右前適時打…
東京生まれで“広島育ち”の鈴木誠也に今、必要なのは正にやまと魂…おそらく再三、チャンスで打席が巡ってくる。その初球…
(広島スポーツ100年取材班&田辺一球)