画像は、マツダスタジアムでのシーズン最終戦のあとカープファンに辞任を伝える佐々岡監督を映し出す映像装置
広島の佐々岡監督が10月2日、マツダスタジアムであった中日との最終戦のあとあいさつしてユニホームを脱ぐことをファンに直接伝えた。
ひろスポ!では佐々岡監督の3年間について、なるべく正確に伝えてきたつもりだ。
当然、批判も応援もした。
だが、この3年間、佐々岡監督のことをボロカスに書いてきたネットでの声には常に危機感を抱いていた。
なぜか?
選手たちは佐々岡監督の人となりや人格についてはリスペクトしており、その前の緒方、野村両監督時代より遥かにプレーしやすい環境であっただろうことが想像できたからだ。
あいさつのあと最後に涙を抑える佐々岡監督と全選手が、一枚の写真の中に収まったのが何よりの証拠だろう。
佐々岡監督は3年目を迎えるに当たって大瀬良、九里のFA移籍の防波堤になり、選手会長大瀬良の助言で野間を野手キャプテンに据えた。7月には秋山の広島移住も後押しした。
試合前練習の時にはノックバットを手にうろうろ歩き、ベテラン、新人に声をかけて回った。それもまた緒方・野村時代にはない風景だった。
きょう10月2日付の佐々岡監督辞任を報じた中国新聞では「采配柔軟性乏しく理想と現実にすれ」「情けと冷徹さ振り切れず」の見出しがあった。
さすが、うまく3年間をまとめて見せた感じではある。けっきょくその内なる赤き魂を指揮官としてのマネージメントにうまく繋げることはできなかった。
大瀬良や野間や菊池涼らに肩を叩かれる佐々岡監督は指揮官としての大事なものを選手たちと共有しつつ、3年連続Bクラス、一度も勝率5割さえ越えられなかったという両極端なエンディングになった。(田辺一球)