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2023年05月19日
編集部

G7広島サミット開幕、原爆慰霊碑に9つの花輪、宮島で核不拡散議論、ゼレンスキー大統領も広島へ…人類初の被爆都市残すその足跡に咲くヒマワリ畑の未来

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画像は宇品側と宮島を結ぶ航路から撮影した宮島、G7首脳らは5月19日午後から宮島で核不拡散などを話し合う

 

日本では7年ぶりとなるG7広島サミットが5月19日開幕した。

 

広島市内は冷たい雨の降る朝になった。

 

フランスのマクロン大統領を乗せた専用機が午前7時51分、広島空港に到着して首脳7人が広島に到着した。

 

午前10時28分、広島市中区の平和記念公園で岸田総理と裕子夫人による、G7各国の首脳らの出迎えが始まった。G7広島サミット開幕…最後にアメリカのバイデン大統領が到着して午前11時21分ごろ全員が広島平和記念資料館(東館)に入った。

 

資料館滞在はおよそ40分。展示品の視察などとともに英語で被爆の実相を伝えることのできる被爆者のひとり、小倉桂子さんの話に耳を傾けた。

 

 

一行が湯崎県知事らを先頭に資料館をあとにしたのは午後0時1分ごろ。雨は上がり、時折晴れ間も顔をのぞかせた。

 

午後0時5分、G7各国の首脳らはサミット主会場のある宇品島にある市立宇品中学の生徒から9つの花輪を受け取り、原爆慰霊碑に献花した。その後、祈念撮影して、広島が生んだ名作「ドライブ・マイ・カー」の大事な場面でも使われた公園西側の緑地に被曝樹木の”2世”のソメイヨシノを市立舟入高校の生徒と植樹した。

 

一行は公園内でのスケジュールを全て消化すると午後0時23分ごろには主会場の宇品島にあるグランドプリンスホテル広島に向け車移動した。両者の距離はおよそ6キロ。車列は市道の中央を走り、沿道に詰めかけた市民らは数メートルおきに配備された警察官越しにスマホなどでG7首脳のいる風景を撮影した。

 

岸田首相らが宇品島に到着するころ、ブルームバーグがウクライナ・ゼレンスキー大統領の対面による広島訪問を報じた。当初はリモートではないか、と言われていたがこれでゼレンスキー大統領もまた原爆ドームの前に立ち、ヒロシマの復興を自国にオーバーラップさせることになるだろう。

 

各局がこの模様をライブで伝える中、日本テレビ系広島テレビではゲストコメンテーターの池上彰さんが、一行がまず平和公園を訪れた。今回のサミットの象徴的な行事が最初に行われたという旨の話をした。

 

まったくそうだ。人類最初の被爆都市、岸田総理のホームタウン…。逆に岸田総理でなければ実現し得なかった。そこにゼレンスキー大統領もやってくる。

 

ありえないことだが、深く悔い改めたプーチン大統領が原爆ドームの前で首を垂れる姿がイメージできなくもない。

 

サミット
サミット開催で厳戒態勢の宇品島に立つグランドプリンスホテル広島

 

きょう5月19日付、毎日新聞23面に「サミット主会場は旧軍港」の見出しの記事が掲載されている。そう、最初に戦争を始めたのは日本だ。1894年から95年の日清戦争で、まさに宇品から兵隊や戦闘用の物資が海を渡って行った。

 

その直前に現在の山陽本線が広島まで延伸され、さらに今のマツダスタジアムがある辺りから宇品島までの「宇品線」が瞬く間に敷設された。軍都広島の誕生だった。

 

その宇品とは”目と鼻の先”に浮かぶ似島もまた日清戦争開戦と同時に軍都の一部となり、第1次世界大戦後には「ドイツ軍捕虜とモダンサッカー、広島サッカーの黎明期」のエピソードを生んだ。そして8月6日によって船で大量に運ばれてくる被爆者の介護、死体処理場と化したのである。

サミット
グランドプリンスホテル広島から望む瀬戸内海

 

雨雲は東へと抜けていき、グランドプリンスホテル広島から見渡す瀬戸内海は一級観光資源としての美しさをG7首脳たちに披露するだろう。そこには似島も確認できる。

 

そのランドスケープに、この国の戦争と平和の歴史とスポーツ王国広島の過去と今と未来が織り込まれていることを、どこまでバイデン大統領らが理解したのか、は分からない。

 

一行は宇品島でのワーキングランチでウクラウナ問題やロシアの引き起こした災いに振り回される世界経済について話合い、日暮れまでには航路を使って宮島に移動、瀬戸内海の食材などを使ったディナーを味わいながら、人類存亡の危機を乗り越えるための核不拡散などについて議論する。

 

自由主義のサミット(頂上)を標ぼうするループ(G)の集まりとはまったく別の価値観を持つ国や地域はこの地上にはたくさん存在する。

 

”我々”から見ればそういう考えの人たちは「派遣主義」を前面に押し出す危険分子、となりがちだ。

 

だが彼らには彼らなりの言い分がる。特に日本ほかの援助によってアメリカを凌駕する経済力とアジア太平洋地域での強大戦力を手にした中国国内のメディアの論調などは「アメリカ悪、アメリア憎し」一色だ。

 

G7の今回の集まりの主要なテーマは中国・ロシア連合をどうやって”大人しくさせるか”だが、その手法が相手を刺激し過ぎると「過ちは繰り返しませぬから」と刻まれた原爆慰霊碑の誓いを裏切る恐怖の結末が待っている。

 

アフターコロナの広島はコロナ禍以前にも増して多くのインバウンドが訪れるようになった。この春、BSから総合に”昇格”したNHK「国際報道2023」が18日放送分の中で報じていたが、海外からの来訪者たちは被曝の実相を目の当りにして涙ながらにテレビカメラにコメントしたという。

 

 

G7のトップもまた一個人としてはきっとそう。ただし国家元首としてならどう振舞うか?核兵器禁止条約に参加していない岸田首相やバイデン大統領は?各所有国のイギリス・スナク首相、フランス・マクロン大統領は…

 

 

「広島の力」でG7サミットからどんな現実を数年後の世界にもたらすか?

 

 

「議論ではなく解決策が必要」(同じく国際報道内でのインバウンドの声)

 

 

そう、ゼレンスキー大統領も「解決策」を求めて広島に足を踏み入れる。

 

その足跡から育ったひまわりの花畑が広島の新たな風物詩になるころ、人類は核の悪魔を封じる術を手にしているだろうか…(ひろスポ!国際報道取材班&田辺一球)

サミット
宇品島の沖から見た広島市街地、1945年8月6日の壊滅都市からの復興、ゼレンスキー大統領にも見てもらいたい風景だ

 

以下、外務省HPコピペ

 

5月19日、岸田文雄内閣総理大臣夫妻は、G7広島サミット出席のため広島市を訪問中のG7首脳夫妻(エマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領、ジョセフ・バイデン米国大統領夫妻、ジャスティン・トルドー・カナダ首相、オラフ・ショルツ・ドイツ連邦共和国首相夫妻、ジョルジャ・メローニ・イタリア共和国首相、リシ・スナク英国首相夫妻、シャルル・ミシェル欧州理事会議長、ウァズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長夫妻)を、広島県広島市広島平和記念公園で出迎えました。その後、岸田総理大臣はG7首脳と共に同公園内で、平和記念資料館訪問、原爆死没者慰霊碑への献花、植樹を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 岸田総理大臣夫妻は、エマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領、ジョセフ・バイデン米国大統領夫妻、ジャスティン・トルドー・カナダ首相、オラフ・ショルツ・ドイツ連邦共和国首相夫妻、ジョルジャ・メローニ・イタリア共和国首相、リシ・スナク英国首相夫妻、シャルル・ミシェル欧州理事会議長及びウァズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長夫妻を平和記念公園で出迎えました。
  2. 続いて、G7首脳が揃って平和記念資料館を訪問し、岸田総理大臣から展示内容について説明するとともに、被爆者・小倉桂子さんと対話しました。
  3. 岸田総理大臣及びG7首脳は、湯﨑英彦広島県知事及び松井一實広島市長による先導で原爆死没者慰霊碑に進み、地元の中高生による介添えの下、慰霊碑に献花を行い、黙祷を捧げました。
  4. G7首脳は、松井広島市長から原爆ドームについて説明を受けた後、岸田総理大臣とともに、平和への願いと、そのためのG7の結束への意志を込めて、公園内で被爆桜(ソメイヨシノ)の植樹を行いました。
  5. これら平和記念公園における行事を通じて、被爆の実相への理解を深めてもらいながら、G7首脳が慰霊の心をあわせ、ロシアによる核の威嚇は断じて受け入れられず、ましてやその使用は許されないとのG7首脳の立場を改めて表明することができ、「核兵器のない世界」の実現に向けたG7としてのコミットメントを確認する機会となりました。

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