画像は広陵・高尾響
高校野球の秋季中国地区大会準決勝2試合が11月4日、岡山県倉敷市の倉敷マスカットスタジアムであった。
第1試合は創志学園(岡山)が高川学園(山口)に7対0の大差をつけ七回コールド勝ちした。
第2試合は広陵(広島)が8対4で粘る宇部鴻城(山口)を振り切った。
勝った2校はあす6日午前11時から倉敷マスカットスタジアムで決勝に臨む。
今大会の参加校は16。岡山4校、残る中国4県は3校ずつ。来春のセンバツから一般選考枠が変更される。これまでは中国・四国枠で5校だったが、中国のみの2校となる。このため、春の甲子園切符は今大会で決勝に進むことが大きな意味を持つ。
準決勝
高川学園 000 000 0・0
創志学園 301 210 X・7
高川学園の4安打に対して創志学園も6安打。しかし大差がついた。初回から高川学園は犠打野選、暴投、失策などで浮足立ち3失点。五回の失点も四球、死球、四球の一死満塁から犠飛を上げられた。
コールドを回避したい七回の攻撃もミスミス得点機を逃して万事休した。
創志学園は背番号10の中野光琉が6回と2/3を投げて被安打3、球数95。準々決勝で広島新庄を9回119球完封したエース山口瑛太をゲームの締めで1/3だけ登板させて温存した。
宇部鴻城 000 004 000・4
広 陵 230 000 30 X・8
広陵が3年連続の決勝へ進み、3季連続の甲子園へ可能性を膨らませた。
ただ、余力を残して勝ち上がった創志学園とは違い、いっぱいいっぱいの展開の中での勝利となった。
初回、わずか5分間で2点を先制、二回にも打者9人で3点を加えたところまではコールド勝ちペース…
だがその二回になおも二死満塁で中国大会ここまで打率・667の五番・澤田哉斗が遊ゴロに終わったことで、その後はゼロが続くことに…
逆に苦しい場面で踏ん張った宇部鴻城の背番号1、松成乃馳(2年)は三回以降、145キロを超える真っすぐとスライダーのコンビネーションで立ち直り、少ない球数でアウトカウントを重ねていった。
一方、広陵の絶対的存在、先発の高尾響(2年)は五回まで69球1安打ピッチング。ところが5点リードをキープして迎えた六回、先頭の一番・有川壱瑳に内野安打を許すとそこから犠打、四球、四球と珍しく制球を乱し、その後は3連打されるなど、この回44球も投じて4失点。試合は一転、競る展開になった。
…が、広陵は七回、ただひとりの1年生スタメンでショートを守る七番・白髪令士が松成乃馳の真っ直ぐを捉えて右中間に2点タイムリースリーベース。このあと相手のミスで生還して8対4とリードが広がった。
広陵・中井哲之監督はこの試合、継投については「まったく考えていません!」(試合後のインタビュー)という方針だったため、七回と八回にも先頭に四球を与えた高尾響は続投!
146球を投じての九回も二塁打と四球で無死一、二塁のピンチを招いたが、そこから一番以下を3人で打ち取り170球完投で”粘投”を終えた。
高尾響とバッテリーを組み四番で適時打も放った只石貫太主将(2年)の話
序盤に先制して、中盤に追いつかれそうになって1点差までこられたんですけど、七回裏に3点取れたのが大きかったかなと思います。高尾のいいところをすべて使えるようにリードしました。
準決勝までの試合結果
27日1回戦
尾道(広島3位)3-1浜田(島根1位)
尾道は11安打。四回に2点を先制して主導権を握った。先発田原永遠(2年)は1失点完投。田原永遠とバッテリーを組む主将の富島海翔(2年)は三番を打ち3打数3安打1打点
創志学園(岡山1位)8-1米子北(鳥取3位)
(七回コールド)
創志学園の中野光琉(2年)は米子北打線を2安打完封。打線は12安打。
28日1回戦
広陵(広島1位)6-3岡山学芸館(岡山3位)
1対0リードの広陵は四回、岡山学芸館先発の沖田幸大(2年)から適時打3本で加点するなどして5対1とリードを広げ試合の主導権を握った。広陵先発の高尾響(2年)は6回1失点。
高川学園(山口1位)4-1総社南(岡山4位)
高川学園の主戦葛西泰輝(2年)は9回完投135球1失点。
下関国際(山口3位)10-1鳥取城北(鳥取2位)
(七回コールド)
下関国際は初回に8点の猛攻。
米子松蔭(鳥取1位)4-2大社(島根3位)
米子松蔭の主戦、山本裕司(2年)は130球完投。11安打を許すも要所を締めた。無四球が光る。
広島新庄(広島2位)13-1矢上(島根2位)
(七回コールド)
矢上が初回に先制。追いかける広島新庄は打線が強力。五回に4点、六回に5点、七回に4点で計16安打。
宇部鴻城(山口2位)7-3岡山城東(岡山2位)
初回に1点を先制した宇部鴻城が着々と加点して六回を終えて7対1とリード。終盤の岡山城東の反撃をかわした。
29日準々決勝
下関国際 000 000 000・0
広 陵 110 100 10X ・4
下関国際は1年生の伊東尊生を広陵打線にぶつけたが、序盤に失点してリズムに乗り損ねた。広陵は1回戦に続いて先発した高尾響が9回113球3安打完封。打っても四回にソロホームランと自らピッチングを後押しした。
広島新庄 000 000 000 ・0
創志学園 000 000 001x・1
甲子園の空気、重圧をよく知る両校が息詰まる投手戦を演じた。広島新庄はシングル5本。創志学園は八回まで6安打のあと九回、一死から七番奥本誠治(2年)が初球を打って左越えサヨラナホームラン…。広島新庄のエース、石津慶大(2年)が投じた114球目が決着弾となった。
尾 道 000 013 000・4
宇部鴻城 220 001 00X・5
6年ぶりの4強を狙った尾道は頼みの先発田原永遠が二回までに4点を失い後手に回ったのが痛かった。六回には“粘投”する田原永遠のタイムリーなどで3点を奪って一度は追いついたが、その裏、宇部鴻城の六番上田一輝(2年)にソロを許してこれが決勝点になった。
高川学園 001 000 400・5
米子松蔭 100 001 002・4
米子松蔭は3点を追いかける九回、2点を返してなお二死満塁としたがあと1本が出なかった。