画像はこけら落とし前日、日没後のスタジアム内の様子を興奮気味にチェックする女子大学生たち
ひろスポ!では広島スポーツ100年、その過去と今と未来にスポットを当てつつ、これまで「川風の街、七色の光」を連載してきました。その第64回です。
2024年2月10日、エディオンスタジアム広島はプレシーズンマッチ、サンフレッチェ広島vsガンバ大阪で初めてそのピッチが歓声に包まれます。
Jリーグ誕生から数えて31年目、森保一監督や佐藤寿人選手らが街中署名活動で声を上げてからだけでも12年もの時間を要しました。多くの選手が現役を退き、あるいは広島から転出していきました。スタジアム早期実現を願いながら他界された方たちも星の数ほどいらっしゃいます。
きょう9日の各局ローカルワイド番組では揃ってスタジアムこけら落としに関する特集を組んでいました。中でも長きに渡るその迷走ぶりと「ピースウイング」誕生秘話をコンパクトにまとめた中国放送の”作品”が目を引きました。
こういう”ネタ”では、その土地の持つ意味、過去から未来への”物語性”がカギになります。
軍都・廣島が廃墟と化し、そして戦後バラックからの復興の時を経てサッカー×平和発信の新たなる聖地へと生まれ変わりました。
9日の各局報道内容を見た限り、スタジアムに隣接する基町高層アパート群の住民のみなさんにスポットを当てたものはありませんでした。
国内外からたくさんの人たちに来てもらえるような”仕掛け”をたくさん用意するのはもちろんのことですが、近隣住民から愛されるような空間作りが欠かせません。
目と鼻の先にある基町小学校のチャイムは、ピッチの真ん中に立っていてもよく聞こえます。
スポーツでもっと幸せな広島へ
基町で育った”翼くん””翼さん”たちが紫のユニホームに袖を通して地元デビューする日が、やがてやって来るのでしょう。
※「川風の街、七色の光」は、戦前戦後を通じて広島の人々の生活に深く関わってきたスポーツのある風景を、この街の未来に繋げていくために”そのまま切り取って”残しておく、ひろスポ!連載コーナーです。(田辺一球)
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(2023年12月24日掲載)