田布施町「パワハラ」問題はどうなるのか?
6月9日付の中国新聞(ネットでは8日付で発信)に「田布施町の税徴収ミス」「告発職員畳部屋に隔離か」「今春新設1人部署に異動」の見出しの記事が出た。そこから大騒ぎになった。
他媒体も追随してきたが中国新聞のそれ以降の記事を見ていくと次のような文言が多用されている。
2年間で3回も異動
人事権の乱用
女性活躍・ハラスメント規制法
職員へのいじめ
独居房
畳部屋
批判続出
業務評価0点
報復人事
隔離
問題すり替え
内部告発
…ざっと上げるとこんな感じだ。
6月10日付の中国新聞の社説には「内部告発職員の「隔離」」「報復パワハラ許されぬ」の見出し。もう報復措置だと言い切っている。
ひろスタ特命取材班は最初から中国新聞の記事に違和感を持っていた。そうでなけでは、”ここまで守備範囲を広げない”。
…なので、調べさせてもらった。
最初に紹介した以下、3つの見出し。
「田布施町の税徴収ミス」
「告発職員畳部屋に隔離か」
「今春新設1人部署に異動」
このまま読むと、まさに社説の通り、「報復人事」だと最初から言っているように読める。しかしこの3つのうちのひとつめの見出しは罫線で囲んである。「税徴収ミス告発職員畳部屋に…」ではない?
各メディアは鬼の首でも取ったように?「2年間で3回も異動」と報じている。
町のミスを告発したこの男性が税務課に勤務していたのは2018年4月から8月。
「告発」がいつだったか?はここでは触れないが、実際に国本悦郎議員が「町は昨年には把握しながら…」と固定資産税の徴収ミス問題を指摘したのは2019年6月の町議会一般質問の場である。10か月のタイムラグがある。
男性が建設課に異動になったのは2018年9月、さらに外郭団体の水道企業団へ異動したのが2019年4月。異動はいずれも町議会より前の話だ。
「田布施町まちづくり研究会」のFacebookを見ると2019年6月9日アップ分に、「
「爆弾発言」とあるから、おそらく「告発」されたタイミングもこの時期よりそう遠くないのではないか?
すでに明らかになっているのは、この頻繁に異動を繰り返す男性が税務課の課長に徴収ミスを報告したのに、そこから話が広がっていなかったということ。同じ平成30年度の男性の評価点が0点だったこと。
ひろスポ!では事態を放置した町が0点とすでに指摘させていただいた。
それを前提にした話にはなるが、0点で痛み分け?となったこの男性が建設課異動となったのは少なくとも「報復人事」とは違うのでは?という話も見えてくる。
実は9日付の中国新聞の第1報には「田布施町の固定資産税問題と内部告発職員の異動」が時系列で紹介されているのだが、その最初がこうなっている。
2018年5月
職員が税金の徴収ミスを発見し上司に指摘するが、対応しないため、後に議員たちに内部告発
8月
職員が課税課から別の部署へ異動
そう「後に」となっているだけで、それがいつだったのかは書いてない。
さらに8月の異動については、当時、発生した産休職員の対応のためいくつかの部署で異動があり、その中のひとつであって男性ピンポイントのものではない。
一方、今の町役場からは確かに男性の職務上の問題点を指摘する声もある。
そこを言い出すと個人攻撃になりかねないので、ここではひとつだけ。
2020年4月、新たに配属された企画財務課。男性の仕事は平成2年ごろに出された町史の新たな編さん作業に決まったが、男性はその業務について、教育委員会の担当すべきものではないか?とそう口にした、とのことである。
なお、取材が殺到するメディアスクラムでヨレヨレの町は取材を一端断り、現在開催されている町議会の終了を待って17日にも共同会見を開く。町では臨時調査
広スタ特命取材班
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