画像は、全国制覇10度目のプレートが空白になている広島商正門そばの、春夏甲子園と国体優勝記念碑
第94回選抜高等学校野球大会第5日(3月23日)
20年ぶりにセンバツの舞台に立った広島商が、春夏通じて初出場の丹生(福井)を22対2のスコアで一蹴した。
ただし、丹生の投手陣は毎回の計14四死球。失策3つのほかにも記録にならないミスも多く、22得点を額面通りに受け取る訳にはいかない。
それでも守ってはノーエラー、送りバントは3度とも成功。走っては3盗塁。まだ、どちらに勝利の女神が微笑むか分からなかった二回と三回、さらには13対4で迎えた六回に、二番八幡大介がいずれも二盗を決めた。
広商ナインは、自分の持ち場でその仕事を徹することができているようだ。16対4の八回、下位打線で1点加えてなお一死満塁で打席には九番得山大輝。
マウンドには一、二回の2イニングを投げたあと内外野で守備につき、再登板の井上颯太。ボールカウント2-2まで待ってファウル、ボール、ファウル、ファウルのあとの9球目をセンターには弾き返してこれが犠飛となった。このあとさらに4点が入った。
三番を打ち7打席6打数で3安打がいずれもタイムリーだった植松幹太主将はこう話した。
「狙い球を絞って全員が打ってくれた。最初の打席、まず1点という気持ちで浮いた球をしっかりとらえることができた」
まず1点。仮に3点を先制した初回のチャンスを活かせなかったならば、その後はどんな展開になっていたか?チームとしての安打数は16。長打は八幡大介の三塁打1本だった。
先に出番となった広陵は敦賀気比を9対0で圧倒した。
広島スポーツ100年の歴史の旗手として、1世紀を超えるライバル同士として、培ってきた力を発揮できるかけがえのない時間。互いに、先に甲子園をあとにする訳にはいかない。
20年ぶりの校歌、となった荒谷忠勝監督はインタビューの冒頭でこう言った。「まずは無事センバツ大会が開催されたことに感謝して、感謝の気持ちで選手たちときょうも一戦必勝の気持ちで臨みました」
まん延防止等重点措置の解除で入場制限も撤廃され、アルプススタンドではブラバンの応援も再開された。明治、大正、戦前戦後と昭和から平成、令和と続く、野球王国広島の終わりのない物語、新たな扉を開くのは…(広島スポ―ツ100年取材班&田辺一球)
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(2022年3月20日掲載)