広島の投手交代が混乱を極め、西武打線の前に九回4−5のサヨナラ負け。西武プリンスドーム右半分を赤く染めたファンから悲鳴が上がった。
先発1本で来ていた大瀬良が前日の西武戦で救援初登板。先発ローテの穴をうめるべく2年ぶりに先発したプロ6年目の武内は初回に2点の援護をもらった直後に3失点。三回に4−3と逆転してもらったが四回に追いつかれた。
二番手の今井が3イニングをしっかり抑えて八回はヒース。
4−4のまま迎えた九回のマウンドにもヒースが上がったが先頭の代打・大崎に右前打されると緒方監督は間髪入れず戸田を投入した。
先発も中継ぎもこなす左腕は一番・秋山を遊ゴロに仕留めたが続く栗山には四球を与えてここでまた交代。
次に出てきたのは2月のキャンプ前半で右肩を痛め、本来の球の威力を取り戻せていない中田廉で、三番・浅村のゲッツーコースの遊ゴロが走者に当たる不運もあったが結果的にはメヒアにサヨナラ打を許した。
前日は新井貴浩、田中のバットで接戦をモノにしたが大瀬良に七、八回の2イニングを任せたことで2点のリードが簡単に吹っ飛び一時は勝機が遠のいた。
ブルペン陣の役割分担が日替わりで「ロシアンルーレっ投」とファンから不安視する声の上がる、戸田、中崎、中田、ヒースらの起用法。
確かに西武との初戦では前田健太が八回につかまったあと戸田、さらには中田でこの回のピンチをしのいではいるが、八回と九回ではぜんぜんプレッシャーも違ってくる。
その前には6月6日の楽天戦(マツダ)でジョンソンのあとを引き継いだ今村が六回、いきなりの2失点で試合を壊して二軍降格。
さらにその前にブルペン陣が打たれて負けたのは6月2日の日本ハム戦(マツダ)で、この日も4−2リードの九回に投げた戸田と中崎が5点を奪われて試合を壊している。
こうして見返していくと、なるほどこのところの起用法はまさに「ロシアンルーレッ投」、誰かがハズレクジを引くような形で負けゲームに繋がっている。
ちょうど60試合を消化して26勝34敗の広島…。明日からのソフトバンク3連戦で借金9を抱えた瞬間に、24年ぶりリーグ優勝へ向け残る命綱をその”弾丸”で吹っ飛ばされることになる。