広島がマツダスタジアムで巨人に連勝した。しかも昨夜に続く連夜の2対1、薄氷を踏む勝利…。ちなみに第1戦は6時間21分ゲームの末、2対3の惜敗で、3戦とも”予想どおり”の1点差勝負だった。
昨夜は福井が黒田の言葉と3万カープファン、カープ女子の声を力に8回1失点でキャリアハイの9勝目をマークしたが、今夜の黒田も三回に阿部に許した犠飛のみの7回1失点で8勝目。
8月に入りここまで3戦未勝利で、チームは優勝戦線から大きく後退し始めていた時期だけにまさに「男気」でつかみ取った日米通算190勝目となった。
そして意外なことに!?、黒田の「男気」を駆り立てたのものが、昨日の福井のピッチングであることが試合後、判明した。
「昨日の福井に勇気づけられた。あいつのピッチングを見ていて感じるものがあった」 黒田はそう打ち明けた。
メンタル面では誰にも負けないタフな右腕も実は「先発する前は日米に関係なく、いつも不安がつきまとう」という。 しかも前回登板時に右手に打球を受け、そこから今季初の中4日。
「かつてのブラウン(マーティ・ブラウン監督)の時や向こうで中4日はやっているけど、シーズン途中からというのは…」とやってみなければわからない状況にある中で、今季初の中5日登板で快投を演じた福井の姿をその目に焼き付けたからには自分も”負けるわけには”いかなかった。
なるほど、「男気」とはこうし伝染し、巡り巡っていくものらしい。さらにグラウンドレベルを越えてその力はスタンドにも当然、届いている。
とうとう15試合連続で3万人超えとなったマツダスタジアムのファンとともに、優勝を目指すなら2勝1敗以上の超ハイペースに挑むのみ。 試合後「もう勝つしかない」と進軍ラッパを鳴らす緒方監督も、福井、黒田に倣って「男気采配」でこの窮地を脱することができるか?