マツダスタジアムを埋めるカープファンは、優勝の可能性が消えても熱い声援を送り続けたが…
前日、東京ドームでの巨人戦に完封負けして24年ぶりのリーグ優勝の可能性が消えた広島…。きょうの一戦は満員のマツダスタジアムのカープファンの声援を受け最後の意地を見せるはずが、3連敗中の阪神にも完封負け。3年連続クライマックスシリーズ出場の可能性もほとんどなくなった。
試合前には一縷の望みに賭けていた。
阪神も広島も12連戦の最中で1勝6敗と大失速したもの同士。そして3位阪神と4位広島のゲーム差は2・5。
直接対決での3連戦初戦を取ることが広島の3位浮上への大きなカギだったが、広島先発の福井が初回、福留の見事な一振りで先制2ランを許したことでいきなり赤信号点灯…。
さらに三回も福留。二死無走者の場面で2ストライクと追い込まれた福留が粘って四球、これでリズムを乱した福井はゴメスにも四球のあとマートンに適時打…。今夜もまた見事に0-3のスコアで敗れ去った。
それにしても3試合連続完封負け、とは…。8月中旬以降は「3点とられたら絶対に勝てない」という「3点しばり」の成れの果ては、かくも恐ろしいものだった。
試合前に緒方監督は選手を集めて「優勝という目標はなくなっても、ファンに目標がない、というような姿は見せずに戦おう!」と呼びかけた。
が、結果は一緒。ベンチに座っている間に優勝が消えた新井貴浩が目の色を変えて打ち、守った以外に大きな変化は見られなかった。
初戦を取ったことで優位な立ち場となった阪神に対して、ここから広島が追い上げることは非常に厳しい状況、と言わざるをえない。
12球団一と言っても過言ではないファンとともに優勝の美酒を味わうはずが、大きく負け越してのBクラスフィニッシュ…!?
広島と言えば「カープ」よりずいぶん後発の「サンフレッチェ広島」が今季もまた、J1優勝に向け熱い闘いを演じ続けている。
やればできるはずの広島で、24年間も負け続けることは本来ありえない話であり、そこには根の深い問題が横たわっている、と考えるカープファンが声を上げ始めている。
ひろスポ!「コイ祭りの終わりに…」取材班