西武ドームでプロ7年目の藤原にプロ初勝利を献上した広島は7対0で今季6度目の完封負けを喫した。
連敗は8となり、これで交流戦成績は4勝14敗の借金10。交流戦前の東京ドームで巨人に2勝1敗と勝ち越して今季最多の12まで溜めこんだ貯金はついに2となった。
広島の8連敗は一昨年の9月以来。この時は球団史上初の交流戦出場を賭けヤクルトとデッドヒートを続ける中で、悪い流れの中にはまり込んだ。 その時のスコアは0-1、0-2、4-5、1-2、1-3、1-3、4-7、2-3。 実に半分の4試合が1点差負けで、すべてが3点差以内という接戦をことごとく落とした。
投手陣はよく踏ん張るのだが打線がまったく振るわず「見えない何かに押しつぶされている」と野村監督も首をかしげるばかりだった。
昨シーズン終盤、投打が見事に噛みあってクライマックスシリーズ出場を果たしたことで「この経験をムダにできない」という空気が選手、首脳陣の間に広がった。
そして今シーズン開幕から、期待にたがわぬ快進撃を続けてきた。 ただ、野村監督は過去4シーズン、一度も勝ち越すことのできていない交流戦を早くから警戒していた。
わざわざ篠田の出場登録を抹消して交流戦開幕戦にもってきたり、球団史上初となる外国人トリオのクリーンアップで得点力アップを狙ったり…。
だが、結果的には交流戦に入ってから新たにトライした選手起用は”不発”に終わることが多く、中でもDHも含めて頻繁にオーダーの変更が繰り返されるようになった打線はセ・リーグ勢を圧倒していたころの勢いが完全に影を潜めてしまった。
加えて永川、一岡、前田健太ら投手陣の屋台骨を支えている顔ぶれに故障が相次ぎ、今夜もプロ3年目、先発経験が4度目という若い戸田をもってこざるを得なくなった。
戸田は力のある球を投げていたが四回、「内角のファストボール」を待っていたというメヒアにまともに力勝負を挑み先制ツーランを運ばれた。
六回に4年目の中崎も外角球に見向きもしなかった中村にボールカウント3-1から内角球を投じて通算250号となるスリーランをレフトポール際に運ばれた。
今回の8連敗のスコアは… 2-10、2-6、3-10、5-16、1-8、0-2、4-5、0-7 1点差ゲームはたったの1試合、そしてなんと5試合が5点差以上の大差をつけられている。
実は今回の連敗が始まる時にも野村監督は「打てん、守れん、打たれる…」と2年前と同じような意味ともとれる言葉をつぶやいている。
なお、昨年の交流戦でもそれまで四番だった廣瀬をベンチに下げ、上位打線を中心に相手投手に応じて打線を組み換え始めた広島はその後、ほどなく6連敗を記録している。
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