広島の野村祐輔が登録を抹消される方向で首脳陣が検討に入った。野村は今季19度目の先発となったヤクルト戦(神宮)で四回、2本塁打を浴びるなど5失点KO。ヤクルトの各打者に完璧に振り切られる場面ばかりが目立ち、8敗目(7勝)を喫した。
野村は8月途中まで高いクオリティスタート成功率を維持していたが、これで最近5試合2勝3敗ながらすべて6イニング持たずに降板している。
しかも9月4試合の防御率は7・32まで跳ね上がり、とても先発を任される状況ではない。
しかし、野村が離脱となると広島のクライマックスシリーズ挑戦はかなり厳しいものになってくる。
昨年、広島は悲願のクライマックスシリーズ出場を果たした。ファイナルステージで巨人に3連敗するまで、甲子園と東京ドームでの計5試合に投げた先発陣は前田健太、バリントン、大竹、野村祐輔の4人。
しかし大竹は巨人にFA移籍、バリントンは右尺骨神経炎で離脱中、そして野村も…となると経験者で元気なのは前田ひとりだけ、という状況になる。
ブルペン陣も厳しい。
永川、ミコライオ、横山、久本、中田、今井が昨年のクライマックスシリーズで投げたが、永川と今井は二軍で調整中。久本は左肘の具合がまだ完全ではなく別メニュー調整中。横山は先日、引退会見に臨んだばかりで、ミコライオと中田しか経験者が”いない”。
短期決戦では言うまでもなく計算できる投手から継ぎ込むのが鉄則だが、経験者が少なければ”投げてみないとわからない”ケースが増えてくる。
野村の一軍離脱は広島の投手陣全体のバランスを崩す危険性を秘めている。