広島対中日24 回戦(広島14勝9敗)午後6時、マツダスタジアム、予告先発は、広島・前田健太(11勝8敗)、中日・伊藤(0勝2敗)
今日付けの新聞各紙。巨人優勝の紙面の中に「団体競技」という4文字を見かけた。当たり前の話だが野球は団体競技。そしてセ・リーグで一番強い団体が巨人だった。
広島は「個人」競技なら巨人勢に負けていない。
その代表選手がエルドレッド。8月から9月にかけて二軍で“ふた休み”したのに36本塁打はセ・リーグダントツで巨人勢はその足元にも及ばない。
今季、広島の顔に成長した菊池と丸も「個人競技」ではセ界トップクラス。打撃ベスト10・8位の丸の102得点は現在、セ・リーグトップタイで、同2位の菊池の177安打は最多安打のタイトル圏内。巨人勢は打撃ベスト10圏外だ。
巨人・原監督は今季、四番も含めて頻繁に打線を組み替えた。しかし打線の「日替わり」度なら広島の野村監督も負けていない。あとはその日の打線がいかに繋がってくれるのか…。
広島が3連勝すれば巨人の優勝にストップをかける可能性もあった9月16日からのマツダスタジアム3連戦。
1戦目は堂林、2、3戦目は木村一番を打ち、3戦合計でともに1得点だった。
19日からの同じくマツダスタジアム、DeNA3連戦。今度は木村、堂林、天谷が一番に入り得点者ゼロ。23日からの神宮球場、ヤクルト3連戦は堂林、梵、鈴木誠也が一番に入り4安打した鈴木誠也ひとりが2得点。そして昨夜の甲子園はまた木村が一番で0得点だった。
ちなみに開幕戦で一番を打ったのは丸だった。それでは広島の今季の一番は誰なのか?
実は最も一番に似つかわしくないであろう堂林がチーム最多の53試合も一番で起用されている。打率は2割5分に届かず盗塁も1、そして出塁率も3割3分しかない。
四番同様、一番にも苦労していた原監督も坂本と長野の併用でこの難しい課題を乗り切った。ただしこの二人の打率、出塁率、盗塁数は堂林の数字をはるかにしのいでいる。
団体競技、イコール適材適所。現役時代には一番打者としても大活躍した野村監督がチームの一番打者を作り切れなかったことと、23年ぶりの優勝を逃したことは無縁ではない。
そして、広島が抱えるこの「一番の課題」はそのままクライマックスシリーズでの戦いでもマイナス要因として頭をもたげてくる可能性がある。