その盛り上がりはすでに12球団トップ!?連日にぎわう今季のマツダスタジアム
労組日本プロ野球選手会は5月18日、2015年度の年俸調査結果を発表した。対象は選手会に加入する支配下選手732人。外国人選手や出来高払いは含まれていない。
平均年俸で見ると球団別ではパ・リーグ、オリックスの前年比35・5パーセント増が突出し、総額27億2330万円で巨人、ソフトバンクに次ぐ3位となった。
平均年俸前年比アップ第2は広島で25・7パーセント増。
総額20億8780万円で6位に浮上した。
黒田博樹の加入が数字を押し上げたがアップ額は4億5000万円を超えている。
広島は2010年、2011年の年俸総額がそれぞれ…
14億4690万円、
15億8250万円、
で12球団最低だった。
その翌年には横浜DeNAベイスターズの誕生により、DeNAの年俸総額15億1160万円まで下げられて前年の10位から12位に後退。
広島は11位に浮上したがそれでも、
16億0160万円だった。
2013年も広島は11位で、
16億7390万円。
この年、野村監督の下で広島は初のクライマックスシリーズ出場を成し遂げた。DeNAは15億0470万円で12位変わらず。
2014年も、
広島11位で16億3419万円、
DeNA12位で15億0170万円だった。
DeNAは選手会介入の支配下登録選手の年俸総額が最下位が定位置だった時代と変わらないのに、今季は高いパフォーマンスを発揮している。パ・リーグでは日本ハムの総額年俸が下から数えて4番目で現在、熾烈な首位争いのまっただ中にいる。
広島は「カープ女子」や「男気」人気に拍車がかかり、主催試合の動員数で過去最多を記録した昨季を上回るペースで入場者数を増やしている。
「国内初の本格的ボールパーク」で「3世代」に「非日常の時間と空間」を提供する、というコンセプトや、普段でも身につけることのできるグッズや絶対に手元に置いておきたい”逸品”の開発。ハード、ソフト両面の戦略が新たな消費を喚起して今のマツダスタジアム人気に繋った。
ある資料によれば、広島球団の「流動資産-流動資産」の数値はマツダスタジアム元年の2009年のマイナス数億円(広島球団がスタジアム建設費の一部を負担)から2010年にはプラスに転じ、2013年にはすでに10億円を超える実質的な現預金が発生している。
なお、広島は「指定管理者制度」により、ある程度の自由度をもって市民球場であるマツダスタジアムでの「興業」を続けているが、その影響もあってか、かつては当たり前だっ高校野球、少年野球、社会人野球の「広島市民球場」開催はマツダスタジアム誕生以降、格段に制限されるようになった。
また、ラジオ体操、盆踊り、国際サッカ―競技大会など旧広島市民球場時代はマルチ使用が可能だったが、現在のマツダスタジアムでは市民のためのイベント開催もごく一部の例を除いて恒常的には行われていない。