広島が首位の阪神に勝ってチームの連勝を3に伸ばした。試合前の段階で広島の残り試合は33、そのうち11試合が阪神との直接対決で、首位までのゲーム差は6・5。
極端な話、9勝2敗なら追いつく計算で、その初戦を落とすことだけは絶対に避けなければならなかった。
試合は石原の先制ソロ(6月12日以来の2号)、五回途中での阪神先発・能見KO(今季この試合の前まで能見の1勝4敗)、先発ジョンソンの好投、とほぼ理想的な展開で回を重ねた。
ところが九回にジョンソンを救援した中崎が梅野にツーランを運ばれ4対2、さらに連打で一死一、二塁となったところで大瀬良の救援を仰いだ。
リリーフ転向28戦目にして初めてセーブのつく場面でマウンドに上がった大瀬良に、この時、満員のスタンドから割れんばかりの拍手と歓声が上がった。
結果は福留・中前打の満塁からゴメス遊ゴロ併殺打による強制終了!大瀬良はプロ初セーブをあげてチームに3連勝をもたらした。
実はこの日の大瀬良の時と似たような場面が八回にも生まれていた。
七回までで106球を投じ、ゼロを7つ並べたジョンソンが八回のマウンドに上がった時だった。ファンの声援を背に投げるジョンソンはこの回、二死満塁のピンチを招いたが最後は新井良太を投ゴロに打ち取った。試合後はお立ち台で「八回のピンチを乗り切れたのはファンのみなさんのおかげです!」と感謝の気持ちをスタンドに伝えた。発表された観衆は3万777人だった。
八回と言えば4日前の巨人戦。0対0のまま先発の福井がマウンドに向かう時にもスタンドは異様な盛り上がりを見せた。福井はこの回、1点を先制されたがそのあとのピンチを踏ん張り、裏の攻撃でエルドレッドの放った打球は大歓声とともに決勝2ランとなってスタンドに飛び込んだ。観衆は3万1,733人。
その翌日も同じだった。2対1の九回、中崎は一死満塁まで追い詰められながらも、超満員のスタンドに「背中を押されているような感じ」を受けながら坂本を右邪飛、阿部を空振り三振に封じ込めた。観衆は3万1,708人。
これでマツダスタジアムは7月24日の巨人戦から16戦連続で3万人超えという球団にとっては空前の快記録となった。ただ連勝前までは5勝8敗と負け越して、ファンの期待に応えきれていなかった。
27日は夏休み最後のマツダスタジアムでの試合となり大入りは確実。次にスタンドから「必勝」の「気」を送られるヒーローは誰になるだろうか?