アンジュヴィオレ広島を激励する松井市長、「紫色」には相性が良さそうなのだが…
サンフレッチェ広島が12月5日、エディオンスタジアム広島でチャンピオンシップ第2戦を迎える。2日の第1戦、敵地でのガンバ大阪戦に3-2で逆転勝利を収め、2012年、13年に続くJ1王者の可能性が極めて高くなっている。
サンフレッチェ広島が最初にJ1優勝した2012年、松井市長は「3度優勝したらスタジアムを考えてもいい」という主旨の発言をサンフレッチェ広島関係者らを前にして直接行っている。
そして2013年12月、サンフレッチェ広島が自力V消滅でわずかの可能性を残して最終節を迎える、という時に「優勝したらスタジアム建設を急がなくてはいけない、サンフレッチェ広島は2位でいい」と発言し大問題になった。
2年前のきょう、12月3日の報道陣との懇親会での席上での出来事だった。公式の場での発言でもあり、オフレコでもなんでもない。
この発言に奮起したサンフレッチェ広島はアウェーの鹿島アントラーズ戦に勝ち、首位にいた横浜Fマリノスが負けたためミラクル優勝、そして連覇を成し遂げた。
今季も第2ステージですでに優勝。松井市長の言う「3度」を越え、2日後の12月5日には超満員のエディオンスタジアム広島でサポーターとサンフレッチェ広島は4度目の栄冠を手にすることになる。
しかし、秘書課を通じて確認したところ、松井市長は「3度優勝したら…」の新サッカースタジアム建設について今なお「対応を検討中」とのコメントを伝えてきた。11月24日、第2ステージ優勝から2日後のNHK夕方ニュースに生出演した森保監督は、「3度優勝した」と何度も繰り返していた。言われた方はその発言を強烈な印象を持って受け止めている、ということなのだろう。
2004年の広島市民球場移転決定に端を発する広島の新サッカースタジアム建設問題はすでに11年の歳月を数えながら、
1)どこに、2)誰が、3)どういう資金調達方法で、4)どれだけの規模の、5)どのような付加価値のスタジアムを造るのか?
具体的なことはまったく決まっていない。
2008年夏、クラブ主導型の新スタジアム構想を発表したガンバ大阪は吹田市と協力して短期間のうちに「場所決め」を済ませ、万博記念公園内に4万人収容の市立吹田サッカースタジアムを9月末に完成させた。
7年で完成!最短でマツダスタジアムのように4、5年。そうでない場合はクラブ側の努力不足か、地元自治体にやる気がないか、その両方かのいずれか、ということになる。
昨季、三冠を獲得したガンバ大阪がサッカー専用スタジアムをホームに有していなかったのは驚きだが、同じくJリーグ創設時からのオリジナル10のメンバーの中でいまだに専用スタジアムの「スの字」も見当たらないサンフレッチェ広島は今、Jリーグ側からどんな目で見られているのか?
今なお、「サッカースタジアムの必要性の有無についても…」などという文言を平気で使用する関係者、あるいは報道内容を見聞きするが「必要性の有無」を論じる段階はとっくの昔に終わっている。Jリーグが誕生してもう20年以上になる。
実力的にはJリーグ52クラブの頂点に立ちながら、その一方でJ1最低レベルのスタジアム施設。Jリーグの理念はサッカークラブを核にして地域のスポーツ文化を育むことにあるが、広島のスポーツ文化水準はサッカースタジアムがないために芳しくないものとなりつつある。
2日後のエディオンスタジアム広島が歓喜の時を迎えたなら、松井市長は率先して挨拶に立ち、広島市民、3万5000人を超えるサポーターを前に何かひとつでもスタジアムに関する具体的な方策を示した方が良くはないか?
Jリーグ王者の座についたサンフレッチェ広島はクラブワールドカップに駒を進めることになる。ACLにも参戦する。今のエディオンスタジアム広島は国際基準からも当然、大きく外れており、日本を代表するクラブのホームスタジアムとしてはまったくふさわしくない状況にある。そんな当たり前の共通認識が、もうさすがに一般的になってもいいころなのだが…。
新サッカースタジアム取材班
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