(撮影・春木 睦子)
サンフレッチェ広島は12月13日、クラブワールドカップ準々決勝、アフリカ代表TPマゼンベ(コンゴ)戦に臨む。ヤンマースタジアム長居、午後7時30分キックオフ。
チャンピオンシップを制したサンフレッチェ広島、森保監督はクラブワールドカップと天皇杯に向けて「すべての試合で頂点を目指し、みんなで力を合わせて戦っていきたい」と宣言。その言葉どおり、10日のクラブワールドカップ1回戦に2-0で快勝した。
ただし、得点源の野津田、さらには柴崎、清水までも負傷交代するというトリプルアクシデントが発生…。相手のオークランド・シティはセミプロで「レッドカード2、3枚は出てもおかしくない」という関係者もおり、改めて国際大会の厳しさ、難しさを思い知らされることになった。
特に野津田はチャンピオンシップ2戦ともサブに名を連ねながら出番なし。オークランド・シティ戦に勝負をかけ、前半開始早々、素晴らしいミドルを打ったあと皆川の先制ゴールを引き出す強烈なシュートを放った。その矢先の負傷退場で診断の結果、右膝の靭帯損傷で全治8か月…。来年1月のリオデジャネイロ五輪最終予選まで棒に振るという最悪の結果となってしまった。
柴崎も左膝後十字靭帯不全損傷で全治3週間。
森保監督は中4日で迎えるオークランド・シティ戦にチャンピオンシップとは違う顔ぶれを6人投入した。
前線から皆川、野津田、浅野、柏、丸谷、そして故障の癒えた水本…。このメンバーを予想した関係者が果たしてどれほどいたか?
サンフレッチェ広島はシーズン終盤、試合日程の隙間を活用して主力組対サブメンバーの高いレベルのせめぎ合いを続けてきた。
加えて、Jリーグ第2ステージの勝負どころで並行して行われた天皇杯に臨むにあたり、起用した若手が持ち味を発揮したことで連戦における選手起用の選択肢が増えた。
それが世界が注目するクラブワールドカップ開幕戦に、自信を持って若手主体のメンバーを送り出すことに繋がった。
今後の戦いを考えると、野津田、柴崎の離脱は痛すぎる。だが、どれだけ主力を抜かれても「いる者で戦う」がモットーの森保監督。その言葉どおり、4年間で常に新陳代謝を繰り返しながら3度、Jの頂点に立った。
そして「世界200カ国、地域にテレビ放映される戦いの場で、平和都市広島をアピールしたい」と大きな志を選手にも説き、世界ベスト4入りへ向け、J1王者のプライドをかけた舞台に立つ。