11月22日、勝てば第2ステージ優勝のエディオンスタジアム広島には旧広島市民球場への新スタジアム建設を望むサポーターの声が意思表示されたが、この横断幕に触れたメディアは不思議なほど少なかった。
ひろスポ!で予想…
「サンフレッチェ広島、きょう広州恒大倒しアジア3位を必ず射止める!森保監督の誓い」
hirospo.com/sanfrecce/24465.html
…したとおり、サンフレッチェ広島が世界30万1000クラブのトップ3に輝いた。
これは単なる「応援予想」ではない。サンフレッチェ広島の、世界3位に挑む気持ちの中に深いものが浸透していることが伝わっていたからだ。
森保監督は広州恒大戦のあと「我々、広島代表として全世界に中継がある中、平和都市広島を勝利をもって、世界3位をもって発信できたと思います」と話した。これで世界の目はいっそう広島に向けられ「広島は素晴らしいクラブのある、素晴らしい街だ、人類初の被爆都市にもかかわらず廃墟の街から見事な復興を遂げている、ぜひ行ってみたい、サッカーを見たい」となるだろう。
実際に大阪でクラブW杯準々決勝があったあと、リバープレートのサポーターが大勢、原爆ドームなどを訪れている。こうした素晴らしいニュースが広島のマスメディアに取りあげられない現状は残念でならない。
逆にネット発信の情報がマスメディアに影響を与える。
これまでひろスポ!ではサンフレッチェ広島が勝つほどに大混雑と諸問題を引き起こすエディオンスタジアム広島の現状について繰り返し伝えてきた。その記事が記録的なアクセス数で推移していることはもう紹介した。
同様の視点でこの問題を取り上げた新聞、テレビは11月22日のJ1第2ステージ最終節、湘南ベルマーレ戦以降、ほとんど見られなかった(スタジアム建設予算がない、市長・知事前向き?発言…などのピンボケ報道は散見したが…)。
しかし12月21日、夕方4時49分からの広島ホームテレビ「Jステーション」では「球場跡地でサッカーを、森保監督が思いを独白」をオンエアするという。
森保監督は湘南ベルマーレ戦に勝利しエディオンスタジアム広島を埋め尽くしたサポーターと一度、歓喜の時を迎えたのち、2日後の24日にNHK広島放送局で夕方ニュース「お好みワイド」に生出演。サッカーの話題の時間を割いてまで、広島の「マチナカスタジアム」の必要性を説いている。
森保監督、ピッチでは堅実采配もNHKスタジオでパワープレー?街中に新スタジアムを!とアピール
hirospo.com/pickup/23541.html
しかし、他のメディアは「マチナカスタジアム」について、「まるで誰かに遠慮しているように」(サポーター)食いついてこない。その主たる要因は旧広島市民球場跡地に「新サッカースタジアムを単なるエゴで造らせたくない勢力」(関係者)がメディア統制さえ行っている、ことにある。この事実に関して、ひろスポ!はカープ球団が新球場(マツダスタジアム)に移転する以前より把握している。その”首謀者”の名をこの場に出せば、おそらく天地がひっくり返るだろう。
だが、いつまでも「エゴだけによる統制」(関係者)という次元の低い歯止めは効かない。ひろスポ!でもいずれ、すべてを報じる時が来る。そうなれば瞬く間にネットを通じて「広島の驚くべき実情」が知れ渡ることになるだろう。「サンフレッチェ広島は2位でいい」の松井市長の失言もそうだが、広島が内包する問題は深刻だ。
世界3位のクラブが存在する街は、世界3位のクラブを原爆ドーム、宮島などと並ぶ都市のアイデンティティとして、引き続き育て、ともに成長し、そして成長したぶん世界の人々の思いにも応える義務が生じる。
端的に言えばサッカーという広がりのあるソフトを通じて国内外の人々をもてなす新たな舞台装置が早急に必要になる。Jリーグのホームスタジアムの中でも非常に評価の低いエディオンスタジアム広島では「ダメ」(事情をよく知るサポーター、市民・県民)なのである。
早急にマチナカスタジアムを完成させることが求められている。
ところが広島のメディアは「旧広島市民球場跡地に新スタジアムを建設する」報道に前向きなところと、例えばローカルスポーツ番組を持ちながらこの問題にまったく触れようとしない不自然な局が存在する。
広島ホームテレビでは先ごろ、自社制作番組、「勝ちグセ。サンデー「恋すぽ」」の中で「カープはサンフレッチェ広島を見習え」というサイドスーパー(しばらく表示されている画面隅のスーパー)を出して、その必要性を強調していた。だが、多くのメディアは「カープ」という広島最大のキラーコンテンツを意識して、同様の切り口で読者、視聴者に情報提供することは少ない。
「世界3位とセ界4位」ではまったく次元の違う話なのだが…
森保監督は、Jリーグ第2ステージ優勝を決め、チャンピオンシップを勝ち、さらに世界王座を争う過密日程の中で、広島ホームテレビの「スタジアム問題」に関する取材を受けたことになる。
森保監督がなぜそこまで「広島のスタジアム」にこだわるのか?それは「お世話になっている広島のみなさんの笑顔が見たい」から、にほかならない。
森保監督は今や国内外から引く手あまたの指揮官になった。森保監督がいない広島、森保監督がいなくなったあとのエディオンスタジアム広島…。
勝手に想像するに、もし新スタジアムが完成すれば、例え森保監督が他クラブに移籍しようとも、新スタジアムの吸引力で新たな人材が多く集まり、いつかまた森保監督も広島に帰ってくるのではなかろうか?
マツダスタジアムは、その成功例だ。
なぜ、成功例を踏襲しないのか。できない事情があるのか?あるなら早急に対処すべきだ。
広島の各メディアは「新スタジアム問題」を広島スポーツ100年の歴史の中の最重要課題ととらえ「偏向報道」なしに「新スタジアム問題」と向き合う時に来ていることを深く認識すべきだろう。
広島スポーツで言うなら、ちょうど40年前の古葉竹識監督がそうであったように、50年に一度、輩出されるかどうかという指揮官が、この街で熱い声を挙げ続けてくれているうちに…。
新サッカースタジアム取材班
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