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2015年12月25日
編集部

ジャパンパイル杭打ちデータ偽装懸念のマツダスタジアム「建物ですから人の命にかかわる認識ある」と市担当者、サッカースタジアム問題にも影響か?

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マツダスタジアム
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マツダスタジアム建設時の画像。まず巨大貯水池施設が掘られた。その残土がマツダスタジアム本体が建つ場所に合わせて積み上げてある。マツダスタジアム界隈は大洲の名で親しまれている。大きな洲だから当然、地盤は軟弱なところが多い。

 

12月25日クリスマス、杭打ちデータ偽装のジャパンパイルが施工を担当したマツダスタジアムについて、ひろスポ!が広島市都市整備局広島駅周辺地区整備担当に電話で確認したところ「建物ですから人の命にかかわる認識ある」との返答があった。

だが、現在その内容は調査中で、いつ結果(杭打ち偽装の有無など)が判明するかは未定という。「人の命にかかわる」問題であれば期日を決めて対処すべきかとも思えるのだが、理解にクルシミマス…

旭化成建材の杭打ち工事データ改ざん問題が表面化したのは10月半ば。横浜マンション傾き事件の発覚で、それまで逃げの一手だった関係者も施工監理ミスなどを認めざるをえなくなった。

続いて11月13日には業界のリーダー、東京・中央区のジャパンパイル株式会社も杭工事の際にデータを流用していたことを認めたと報道された。この時点でジャパンパイルによると、過去5年余りに請け負った杭工事を調べた結果、少なくとも18件でデータの流用が見つかったという。この数はその後も増えており、現在どういう状況なのかすらよく分からない、底なしの様相となっている。

翌14日の中国新聞社会面が「同社はマツダスタジアムなどの大型物件も手掛けているが調査を終えていないという」という記事を掲載した。

この日は土曜日。「(中国新聞にジャパンパイルの名前が掲載され事実を)知ったのが14日土曜日でまだ時間がないから」と話していた担当者はその後「休日返上」で調査に着手した。

11月25日に広島駅周辺地区整備担当に電話で問い合わせたところ次のような言葉が返ってきた。

・ジャパンパイルに調査を依頼し、担当職員も調査中。

・調査に手いっぱいで会見の時期も含めて今度の見通しは立たない

・今は事実を確認中で不備が発覚した訳ではないのでカープファン感謝デーやコンサート開催でのマツダスタジアム使用は問題ないものと考える。

・確かに球場の柱にはクラックが入っている、がクラックが入っている(ほかの)もの(建物)もある、柱にクラックが入らないことが鉄則だが、いろいろな形でクラックが生じることもあり、内容を精査中」。

・3人専属で対応中。

そして今回は次のような回答だった。

・3人というのは担当が3名ということで、”それ”ばかりやっているわけではない。

・データにある電流計の波形の確認の最中。ただ杭の数が多く(453本)、資料は1700ページにも及ぶのでなかなか終わらない。(※)

・いつまでとは言えない。調査が終わり次第、その先の対応をする。

ひろスポ!では、この回答のあと「杭のデータ改ざんなどがあれば人命にもかかわることと思う、いつまでに期限を切らないのはまずいのでは」?と再度、確認にしたが「命にかかわる認識は、建物なので、命にかかわる認識はある、ただいつまでに、とは言えない」ということだった。

※マスコミにも再三取り上げられている「杭の電流計データ」は、重機で杭を地中にねじ込むように打ち込んでいくとやがて堅い層に届く、その時に抵抗が増すため、流れる電流が変化することで深く掘り進んでいった地下の様子を知ろうというもの。このデータを適当に他から流用したりしてきちんと調査していないことが今の業界の悪しき慣習となっていることが次々に明らかになっている。そして横浜の場合はマンション自体が沈下し始めた、またはその恐れがあるため、元NEC工場跡地に建設した巨大マンション群の「全棟建て替え」という極めて深刻な事態となっている。

杭打ちデータ参考記事

friends.excite.co.jp/channel/article/10317/

ジャパンパイルの不正発覚からすでに40日以上が経過した。マツダスタジアムの下に眠る杭の数は453本。年内に調査を終えようと思えば1日平均11本程度の電流計データを見る計算になる。

担当者の話では「その資料が1700ページにも及ぶので簡単には終わらない」。確かに1700÷40は40ページ以上。ひとり10ページ以上を毎日、となると…。

そこで、マツダスタジアムの「設計偽装」の懸念について長らく調査を進めてきた元広島市職員の木原康男氏さんに聞いてみた。木原さんは同じ1700ページの資料を情報公開条例に沿って請求し入手、その他これまでに請求した資料も手元に置き精査を続けている。

木原さんの話

電流計データはデタラメです。そもそも論ですが、資料を見ればマツダスタジアムを建設するための地盤調査をやっていないんです。マツダスタジアムの地下には外径100メートルの大洲雨水貯水池が造られています。そのための地盤調査のみでマツダスタジアムの杭打ちが行われおり、広島市はそれらの事実も分かっていながら虚偽報告を作成し、支払いを済ませている。その観点から言えば詐欺罪にあたります。契約した内容と杭工事の内容が違えば、構造安全上の確保ができないから建築基準法20条違反です。

大洲雨水貯水池
www.kouji.co.jp/genba118140-1.html

この話のどこまでが正しいのか、どうなのか?それをジャパンパイルと広島市の当事者だけで調査していて大丈夫なのか?第三者の目は必要ないのか?

マツダスタジアムは黒田博樹人気も手伝い、来季の年間指定席も先ごろ「完売」が発表された。カープ観戦だけでも今季は200万人以上が入場している。当然、調査は早期に終える必要がある。

なお、10月半ばに発覚した杭打ちデータ偽装問題では、広島県内の自治体の中には業者の調査結果を待たず独自調査で対象施設の安全を確認したと公式に発表するところが次々に出てきている。

最近では12月17日、岡山県がジャパンパイルが施工した玉野市の排水機場の杭、18本中2本でデータの流用があったと発表した。

さらに広島県は本日25日、ジャパンパイルではなく、旭化成建材の杭打ちデータ改ざん問題で、改ざんが判明した2施設の安全を確認したと発表した。

これで県内では110件の当該施設などが調査され、いずれも当面、問題なしとの結論に達した。同様の発表は広島市からはまだない。ゼロである。

広島のサッカースタジアム建設を考えた場合、このマツダスタジアムの諸問題が大きな影を落としてくる。

2013年5月から2015年1月までスタジアム建設について意見交換したサッカースタジアム検討協議会の中でも「マツダスタジアムをモデルに」検討してきた。また、今現在も建設コスト、資金調達、安価なコスト面などから「マツダスタジアムを手本に」との声が非常に多い。

そのマツダスタジアムがもしも”盤石”でない、となると「モデルケース」とはならない可能性も出てくる。サッカースタジアム建設を目指す、臨む関係者、市民・県民、サポーターにも、マツダスタジアムの「構造設計」「杭打ち」「施工監理」などの調査結果が影響してくるケースもありえる、ということになる。

新サッカースタジアム取材班

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