3者会談のメンバーとしてサッカースタジアム問題に取り組む広島商工会議所の深山会頭
ゴールポストのない公園でゴールを目指す3者たち!?「広島みなと公園消滅」のサッカースタジアム問題…8・6前日の異例の3者会談は予想どおり「きょうの内容はいっさい申し上げられない」
松井市長、湯崎知事、広島商工会議所の深山会頭は8月5日、広島市役所に集まり、広島みなと公園へのスタジアム建設案消滅で暗礁に乗り上げているサッカースタジアム問題について話し合った。
広島市役所が最も慌ただしくなる8月6日前日に集まらなければいけないほどサッカースタジアム問題は3者側にとっての窮地…、と考えた方が合点がいく。
その状況をよく知る関係者のひとりは、この会議に続いてあった深山会頭の会見のあと「宇品がなくなり、いかにうまくこの問題を軟着陸させるか、そのつじつま合わせに躍起になっての話し合いだから非公開は当然」と断言した。
会議は1時間ほど行われ、サンフレッチェ広島・久保会長との4者会談を「6日過ぎあたり」で調整する、ということだけは報道陣に伝えられた。だが「きょうの話し合いの内容についてはいっさい申し上げられない」と深山会頭からはスルドイ牽制球…
それでも報道陣間からはその牽制をかいくぐりいくつかの質問が出された。そのやりとりの要旨は以下のとおり。
質問者A これまで知事、市長が先頭に立って進めてきた、なぜ急に深山会頭がリーダーシップをとるのか?
深山会頭 リーダーシップというわけではない、(久保会長も所属する広島商工会議所会頭であっても)あくまで私は3者側、中立の立場ということでもないが、対立の構図のままではいけない。
質問者B 第3の候補地というのが出ている。3者が広島みなと公園優位とする中、サンフレッチェ広島は旧広島市民球場跡地を希望、そのことはどんな話になったか?
深山会頭 ノーコメント。3者として広島みなと公園優位に変わりない。
質問者C サッカースタジアム検討協議会で広島みなと公園と旧広島市民球場跡地に絞った。要は候補地は2つ。第3の候補地とは何?
深山会頭 ノーコメント
…という具合で肝心なところは「ノーコメント」。「広島みなと公園優位に変わりない」と言ってしまうと、これまでひろスポ!が報じてきた「広島みなと公園脱落」とは相反することになるのだが…
それでは読者側には何のことか分からないだろうから、以下、わかりやすく現状を”表現”し直してみた。
「広島みなと公園でのスタジアム建設について3者会談としては表向き”検討”は続けるが、実質的にはその動きを”不可”とする大きな力が6月末から働いている」
サッカー好きの読者向けには次の表現がベターだろう。
「それをサッカーに例えるならば、ゴールポストのとっぱらわれたみなと公園で、あてのないゴールに向け、残されたメンバーでただパスを繋ぎドリブルしているだけ、その費用も税金なんですけどね」(事情に通じる関係者)
広島新サッカースタジアム取材班